内容説明
南島では、本土とは異なった独自の民俗文化が展開していた。奄美・沖縄島・宮古・八重山の豚の飼育、年祝い、祖先祭祀などの習俗を明らかにし、琉球王国から本土復帰後のヤマト化をふまえ、民俗文化とは何かを考える。
目次
沖縄の民俗(地理と歴史;地域の民俗的歴史 ほか)
1 年祝いにみる擬死と再生(模擬葬式の発見;模擬葬式のとらえかた ほか)
2 門中と祖先祭祀(近世士族門中の成立;明治以降における門中の普及と変化 ほか)
3 肉食の民俗誌(豚のいる暮らし;肉食の知識と技術 ほか)
著者等紹介
古家信平[フルイエシンペイ]
1952年、熊本県出身。1980年、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科中退。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授
小熊誠[オグママコト]
1954年、神奈川県出身。1985年、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。現在、沖縄国際大学総合文化学部教授
萩原左人[ハギハラサヒト]
1961年、静岡県出身。1988年、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科中退。現在、琉球大学法文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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邑尾端子
8
沖縄の一部ではかつて「人間の寿命は88歳が最大限で、それ以上生きると子孫の命が縮まる」と信じられ長寿を忌む風習があった。そのため88歳の齢祝いの日には、その歳を迎えた老人に死装束を着せて「模擬葬式」が行われた。寝かせた老人を子供や孫一同が取り囲み「もういい寿命だから昇天してください、子孫のために、どうかお逝きください、早く早く、お逝きください」と唱え祈ったというから、現代人の感覚では衝撃的である。戦後は悪習と捉えられ瞬く間に消えてしまった風習ではあるが、「生」の充足を重視する考えとして興味深い。2015/02/24
ヨシツネ
1
民俗学の教科書。豚便所や模擬葬式の枕飯御願、辺野古、豚肉正月、門中の位牌を何故置いたままか等、色々指摘がある2019/09/01
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