内容説明
聖徳太子は捏造されたのか。古代中国の冊封体制や仏教伝来は、周辺諸国に様々な文明開化を促した。古代日本と東アジアの実態に迫り、聖徳太子非実在説に対し、日本の文化水準の高さから反論。論争に一石を投じる書。
目次
はじめに―東アジア世界の枠組みで考える
1 一世紀から五世紀の東アジア世界と倭国(高句麗と韓、及び倭の登場;漢委奴国王 ほか)
2 仏教伝来と東アジア世界の変動―日本における仏教受容の国際的契機(仏教伝来年次の二説の謎;如来天子梁武帝の光と影 ほか)
3 聖徳太子と東アジア世界(蘇我氏権力の形成と仏教;聖徳太子の登場と仏教 ほか)
おわりに―聖徳太子非実在説とその批判の展望
著者等紹介
川勝守[カワカツマモル]
1940年東京都に生まれる。1964年東京大学文学部東洋史学科卒業。1972年東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。1973年九州大学文学部講師。1980年文学博士(東京大学)。1987年九州大学文学部教授・東洋史学講座担当。1998年九州大学退官・九州大学名誉教授。同大正大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽香
0
200212102013/10/10
綱渡鳥
0
本書は「聖徳太子は実在しない」に対する反論として著されたものである。本書のポイントとして「高句麗の位置をりかうするのが決定的に重要」で、「仏教の需要が持つ東アジア世界構成上の意義」を検討し、「聖徳太子の時代における天皇号の成立の問題」を考えることを挙げている。日本という国号や天皇号が成立した聖徳太子の時代は、東アジア全体が様々な民族が入り乱れて急速に国家を形成して自立し、仏教による国際平和を目指していた。その中からこそ、わが国でも高度な文化が生まれたとすれば、太子の実在もあるだろうという結論になっている。2019/01/15
-
- 和書
- 経済学部は理系である!?