内容説明
近代国民国家は、「文明」の名のもとに新たな差別を創りだす。しかも、その差別の眼差しは、権力からだけでなく、民衆のなかからも生まれてくるものだった。近代日本の社会秩序と規範は、いかにして形成されたのか。民衆意識と差別構造、「女性らしさ」という規範、「日本文化」というもののイデオロギー性など、近代を相対化する視点を提示する。
目次
1 「世直し」に見る民衆の世界像
2 日本近代社会の差別構造
3 明治期における「女のつくられる過程」
4 文化交流史とは何か
インタヴュー 差別の視線と歴史学(聞き手・成田龍一)