出版社内容情報
徳川将軍が限られた大名へ下賜した「御鷹」は、権威と忠誠の表象として珍重された。家康・綱吉・吉宗ら歴代将軍の鷹狩や鷹贈答の実態、伝統技芸を支えた鷹匠・若年寄の動向などから、鷹による徳川支配の様相を描く。
内容説明
徳川将軍が限られた大名へ下賜した「御鷹」は、権威と忠誠の表象として珍重された。家康・綱吉・吉宗ら歴代将軍の鷹狩や鷹贈答の実態、伝統技芸を支えた鷹匠・若年寄の動向などから、鷹による徳川支配の様相を描く。
目次
第1章 家康と鷹狩(無類の鷹狩好き;継承する将軍たち;彦根藩の「御鷹場」)
第2章 献上と拝領(弘前藩津軽家の鷹献上;彦根藩井伊家の鷹拝領;大名間の鷹贈答)
第3章 綱吉と吉宗(鷹狩を廃止した綱吉;家康回帰の吉宗;国家の政事)
第4章 鷹匠と若年寄(名鷹を扱う技術者;鷹狩の責任者)
著者等紹介
岡崎寛徳[オカザキヒロノリ]
1969年、岐阜県に生まれる。現在、半蔵門ミュージアム主任学芸員、博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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氷柱
5
1109作目。9月9日から。鷹を受け取り維持をすること、そんな交換を通じて徳川社会は他者との特別な関係性を維持してきた。どれだけその文化が重んじられてきたのかを知ることができる。様々な場所で鷹がどうこうという情報を得ることができるのでそういった知識をひとつ持ち合わせるだけで街歩きも捗るだろう。2024/09/14
Go Extreme
2
鷹:諸大名から進呈 御鷹:将軍から拝領 鷹匠:旗本・御家人という武士身分 伝統文化ー茶道・絵画・鷹狩と政治体制の不可分な関係 家康:鷹好き・鷹狩通 天皇や豊臣秀頼へ進物、御鷹之鳥 家康:忍・川越や東金の鷹場 秀忠:鴻巣 鷹献上大名 北は松前・南は薩摩 慶事に鷹を所望 五代将軍綱吉・生類憐み政策→鷹狩廃止 家康回帰の吉宗・家康政治復古 御挙場・江戸廻りの鷹場:葛西・岩淵・戸田・中野・目黒・品川 鶴捉:鶴を捕まえた鷹→最高位に位置づけ 将軍の御鷹→大名支配・統制に利用 鷹狩と派生する行為→政治・支配システム2024/05/20
石田 俊一
0
鷹狩りが武士の軍事訓練の一環として行われていたことは知っていましたが、飼った鷹が贈答品になったり、贈答によって身分や互いの関係性を可視化していく部分は当書を読んで初めてしり勉強になりました。 弘前藩庁日記は有名な江戸時代の史料ですが、これを読むと様々なことがわかりそうですね。2024/02/12