内容説明
1549年に伝来したキリスト教の布教と受容の過程は、苦難と忍従の歴史として展開した。本書は、広く世界史的視野にたち、イエズス会の創設から戦後の信教の自由が保証されるまでを、最新の研究成果を踏まえ原史料を駆使しながら、政治権力との対応や教会・信徒の動向などを詳述した、日本キリスト教史の決定版である。
目次
第1 キリシタン史理解のために
第2 イエズス会創設と東洋布教
第3 キリスト教の伝播と初期布教
第4 キリシタン布教体制の確立
第5 伴天連追放令とキリシタン教界
第6 幕藩体制社会とキリシタン教界
第7 近代日本とキリスト教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
それいゆ
24
1週間かかってどうにか読了しましたが、細かい内容は頭に入っていません。苦行が終わったという気持ちです。でも、1549年のキリスト教伝来からの日本キリスト教史の概略を知ることができ、何となく賢くなったような気がしています。読んでみて、秀吉の伴天連追放令、江戸幕府の禁教令が重要な部分を占めていることが分かりました。そして、その両方にかかわりのある高山右近の存在がますます大きくなってきました。来月カトリックのシスター見習いの人たちに右近や隠れキリシタンについて話をする予定です。この本はたいへん参考になりました。2013/09/07
shizzy
4
図書館本。ザビエルとか天正少年遣欧使節団とか踏み絵とか、有名で誰もがが知っているキリシタンについての重点の記述より、信仰の広まり方や当時の宗教的な流れが権力や政治の歴史と照らし合わせて書かれていて興味深かった。キリスト教禁教、殉教は江戸時代が有名だけれど、明治に入る頃の弾圧のひどさは胸が痛む。時間がかかったけど読んで良かったと思った。2015/08/31
Hidekazu Asai
0
日本はフランシスコ・ザビエルの布教以来、秀吉の禁教令、徳川幕府の過酷な弾圧、大日本帝国政府の干渉などにより、自由な布教活動ができなかった。キリスト教が、自由な布教活動ができるようになったのは、大日本帝国が敗戦してからである。一体、それまでにどれだけの人数のキリスト教徒が、秀吉や徳川、大日本帝国に殺されたか。考えるだけで恐ろしい。 日本人がキリスト教を「自然」と感じられるようになったらそのときこそ民主主義の実現であるといってよいくらいだ。2021/03/22
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