出版社内容情報
山の音、石の鳴き声、城跡の鶏鳴、寺社や墓の鳴動…。中世人はこうした不思議なできごとを神仏や祖先からの啓示と考えた。古文書・記録や伝承から、彼らが体感した”音”を再現し、失われた日本人の心性を考える。
内容説明
山の音、石の鳴き声、城跡の鶏鳴、寺社や墓の鳴動…。中世人はこうした不思議なできごとを神仏や祖先からの啓示と考えた。古文書・記録や伝承から、彼らが体感した“音”を再現し、失われた日本人の心性を考える。
目次
序章 山が鳴り石が泣く
第1章 戦国大名と落城
第2章 藤原氏と源氏
倣3章 塚や墓と鳴動
第4章 社寺が知らせる異変
第5章 災害の音・幸運の音
第6章 鶏の声の意味するもの
終章 中世から近世へ
著者等紹介
笹本正治[ササモトショウジ]
1951年山梨県生まれ。1975年名古屋大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了。現在、長野県立歴史館長、信州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
音と予兆: 音の役割ー自然界や社会の変化を示す重要な要素・災害や異変の前兆→人々に警告 嗚動の伝承ー鳥や石、山の音→歴史的事件や災害を予告 歴史的背景: 戦国時代の音ー戦の前兆や敵の動向を察知する情報源 城と先祖の関係ー落城の際に音や現象が報告される 文化的意義: 神仏との繋がりー音を通じて先祖や神々とのコミュニケーション 地域社会での信仰 自然との関わり: 自然音の重要性ー意味を理解 天候や災害との関連ー天候の変化や災害の前兆 現代社会における意義: 音に対する感性の喪失 過去の教訓を活かす重要性2025/01/23
きゃなこ
1
歴史学は未来のための学問、先生はずっとそういっていて、ずっとわたしの心に残っている。 目に見えない音、水(橋)、取引がされる市は、あの世とこの世をつなぐもの。大きな岩や、木の荘厳さに思わず手を合わせたくなる感覚は古来由来のもの。記録に残るとは、書き留めるべきという意識が働いたということ。公式の記録に載る=それだけ当然の意として大切なものとされていたこと。鳴動した記録がつけられた中世は、自然は自分たちにはどうしようもできない世界だった。だから音は信じてるもの。戦国時代をへて、実力主義だし神は関係なくなる。2021/06/12
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