出版社内容情報
200年以上安定していた幕府・社会はなぜ解体したのか。朝廷と幕府、幕藩関係、蝦夷地から九州までの在地社会、民衆運動、世界情勢との連動など、国内外の諸問題への対応を模索するも限界を迎えるまでを通観する。
内容説明
200年以上安定していた幕府・社会はなぜ解体したのか。朝廷と幕府、幕藩関係、蝦夷地から九州までの在地社会、民衆運動、世界情勢との連動など、国内外の諸問題への対応を模索するも限界を迎えるまでを通観する。
目次
プロローグ 内憂外患と近世日本の限界(荒木裕行)
第1章 寛政改革から「大御所時代」へ(清水光明)
第2章 一九世紀前半の天皇・朝廷と幕府(佐藤雄介)
第3章 「大御所時代」の幕藩関係(山本英貴)
第4章 天保・弘化期の幕政(荒木裕行)
第5章 一九世紀の蝦夷地と北方地域(谷本晃久)
第6章 民衆運動からみる幕末社会(野尻泰弘)
第7章 幕末の日本、一九世紀の世界(小野将)
著者等紹介
荒木裕行[アラキヒロユキ]
1979年、東京都に生まれる。現在、東京大学史料編纂所准教授
小野将[オノショウ]
1969年、東京都に生まれる。現在、東京大学史料編纂所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
11
寛政の改革期から幕末あで。徳川家斉の所謂「大御所時代」を扱った一般書が意外と無いので、その辺が面白かったりする。しかし家綱~家継までの綱渡りのような将軍継承と比べると、いくら夭折しても次が出てくる出てくる家斉の子や甥たちといった感じで、徳川時代全体でみてもめちゃめちゃ異常な時期だよなと。そりゃ誰も家斉や一橋家を掣肘できませんよね。また最後に19世紀の世界情勢と絡めながら、幕末日本の世界史的位置を探っているのも興味深い。近代化を目指した軍制改革が、幕府の支配体制を解体し「武士」の世を終わらせたのだと思う。2024/12/23
アメヲトコ
8
2024年1月刊。通史編の3冊目は寛政改革期から幕末までを扱います。幕政でいうと徳川家斉の「大御所時代」がなかなかに滅茶苦茶な時期で、それが幕末の展開にいろいろな意味で影響していることがよく分かりました。最後の小野論文は幕末の日本の動きを同時代の世界の動きの中で描いていて目を啓かれます。横山尹徳氏の名著『開国前夜の世界』も改めて読みなおさねば……。2024/07/05