出版社内容情報
飛鳥の地を離れ、奈良の平城京に都をおいてから80年。律令体制が整えられ、天平文化が華開きながらも政争に明け暮れた時代を人びとはどう生きたのか。聖武天皇や藤原仲麻呂などの政治の中心人物のほか、留学生、地方で躍動した豪族、懸命に働いた女官、下級官人などあまり知られていない人物の魅力を解説。当時の社会を生き生きと描き出す。
内容説明
天平文化が華開きながらも政争が続いた奈良時代、人びとはどう生きたのか。聖武天皇、藤原仲麻呂などの有名人物や、地方豪族、女官、下級官人などのマイナーな人物の魅力を解説。当時の社会を生き生きと描き出す。
目次
1 平城京遷都と律令体制のはじまり(藤原不比等―古代権力確立期の表象;県犬養橘三千代―古代のスーパーキャリアウーマン;元明天皇と元正天皇―母と娘の国づくり ほか)
2 天平の時代(聖武天皇と藤原光明子―鎮護国家の国づくりをめざした夫妻;長屋王―政争に敗れた生真面目な貴公子;奴池麻呂―古代奴婢の実像 ほか)
3 藤原仲麻呂・道鏡の政権(孝謙・称徳天皇―唯一の女性皇太子にして尼天皇;藤原仲麻呂と淳仁天皇―権臣と廃帝の実像;道鏡―その学問とコミュニケーション能力 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫草
13
鑑真とか藤原仲麻呂みたいな教科書にも載ってる有名人から、下級役人とか女官、奴婢のような政治の中心にいた人じゃない人たちまで、奈良時代の色んな人々。1つ1つは短いので初学者にも読みやすい。参考文献に簡単な説明文がついていて、この本の読者がこれから更に深めたい時に読むべき本の紹介みたいになってるのもうれしい。そして、いや、その人誰?って言うような、別に歴史を動かしたとかでもなんでもない、地味なお役人とかを、こうやって研究してるんだなあ、学者ってすごいなあ、と変なところで感心。2024/03/16
星乃
4
学生さん向けに書かれた本なのか、わかりやすい。誰もが知ってる有名人から奴婢までさまざま。古代史だけど取り巻く環境や人間関係で人生が翻弄されてしまう点は、現代とあまり変わらない。この時代から人はどれだけ成長したのであろうかと考えさせられる。2023/08/28
りうかん
2
奈良時代の歴史の人物 有名どころからマイナーまで、いろんな方が書かれている古代史人物伝。ほぼ誰この人?状態の人も多い。逆にいうと、この本で存在を知る歴史上の人物も多かった。資料が少ないなか、よくぞここまで拾ったという感あり。色んな人が書かれているため、視点が様々で面白い。歴史好きな人にはお勧めだが、受験に役に立つかというわれると微妙。2023/02/12
マウンテンゴリラ
1
私自身、大阪在住ということもあり、このような歴史的魅力に溢れた土地が身近にあるということの歓びを、この年齢にしてあらためて感じている次第である。中でも奈良については、本書で取り挙げられる奈良時代を始め、それ以前の大和朝廷の発祥から、飛鳥時代と、期間で言っても長く日本の中心であったし、天皇制,律令制といった制度や文化、宗教といった面でも、日本国の始まりの地でもある。そんな身近な奈良の地で、今回は平城京を中心とした奈良時代に活躍した人物を網羅的に知る機会として、大変参考になった。やはり歴史への興味は、→(2)2024/06/26