出版社内容情報
ラジオ放送は開始と同時に政府の統制下に置かれた。原爆など不都合な情報を秘され、政府に従う国民。情報操作に果たした役割を解明。
内容説明
ラジオ放送は一九二五年、開始と同時に政府の統制下に置かれ、国策通信社が配信する情報をそのまま放送した。原爆などの不都合な情報を秘され、政府の指導に従う国民。戦時期の情報操作に果たした放送の役割を解明。
目次
序(政府の放送政策;日本放送協会の対応 ほか)
1章 戦争プロパガンダの実相(モデルはナチス・ドイツ;ラジオ講演のキー・シンボル ほか)
2章 放送への国民の反応(聴取者はどういう声を寄せたか;称賛の声とその番組内容 ほか)
3章 「マル秘敵性情報」にみる原爆投下(原爆投下第一報;外国放送傍受機関 ほか)
4章 戦争の終結と放送(玉音放送;終戦関連ニュース ほか)
著者等紹介
竹山昭子[タケヤマアキコ]
1928年東京都に生まれる。1951年日本女子大学文学部社会福祉学科卒業。東京放送(TBS)勤務の後、教職に就く。元昭和女子大学教授。その間、社会心理研究所(南博主宰)のメンバーとして研究活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はむた
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戦時下では政府と軍部による情報しか電波に乗せることができなかった。ラジオは完全に政府広報であり、国民を欺く不正確な情報や偽情報を発信することをいとわなかった。 例えば、日本放送協会は敵国の情報を傍受する機関に協力していたため、広島の原爆投下について具体的かつ詳細に情報をつかんでいた。だが、原爆であることを伏せて「新型爆弾」とし、被害状況も極秘にした。国民の戦意が喪失することを政府がおそれたためである。東日本大震災で原発がメルトダウン起こした時に似ている。政府は不都合な事実を隠したがるものなのだ。2025/05/25