出版社内容情報
死穢を忌避してきた人々が、なぜ「死者」を埋葬し供養するようになったのか。ムラや都市の墓地空間、さまざまな墓制、祖先祭祀など、墓と葬送の歴史的展開を探り、現代の家族のあり方の変化に伴う今後の課題を問う。
内容説明
死穢を忌避してきた人々が、なぜ「死者」を埋葬し供養するようになったのか。ムラや都市の墓地空間、さまざまな墓制、祖先祭祀など、墓と葬送の歴史的展開を探り、現代の家族のあり方の変化に伴う今後の課題を問う。
目次
第1章 市民社会と墓地
第2章 墓地空間
第3章 さまざまな墓制―墓と墓地の民俗
第4章 国家による「死」の管理―明治政府の墓地政策
第5章 祖先祭祀と墳墓
第6章 家族の変動と現代の墓制
著者等紹介
森謙二[モリケンジ]
1947年徳島県生まれ。1970年明治大学法学部卒業。1983年茨城キリスト教短期大学教授。現在、茨城キリスト教大学文学部文化交流学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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綱渡鳥
1
欧州と日本のお墓について比較文化史的に研究された作品。読み直すシリーズということで原著は1993年刊行。だからと言って古くなっているわけではなく、むしろ墓を取り巻く現代的な課題は肥大しているので、改めて必要とされる内容。日本の墓制の転換点を4つ見出し、その一つはまさに現代。墓そのものを忌避し、少子化で受け継ぐ者がいなくなるという事態を受けて、我々はどうすべきかを考えさせられる。法整備が遅れて、市場原理に基づいて葬送が行われることに危機感を感じざるを得ない。2018/10/11
ぱらっぱ
1
墓の形態や墓地のありかたは社会の変化につれて変わらざるを得ない。明治初期から現代までの変遷を明かにし現代少子化社会の問題点まで記述してある。現代の葬送と墓のありかたを考える好著だと思う。2014/05/30