内容説明
従来の蝦夷征伐史観の呪縛から離脱し、律令制形成期における蝦夷の第一次抵抗に起因する兵乱と、奈良時代末の自主性回復を目指す第二次抵抗としての兵乱を、史料に忠実に追求。伊治呰麻呂の乱の意味、坂上田村麻呂・紀古佐美ら名将たちの兵略と、対する阿弖流為の力の判断、などを考える。弓馬の術に巧みな蝦夷勢を撃滅することが不可能なことを論証。
目次
緒章 東北史伝承期の兵乱
1 北狄との戦い
2 奈良朝初期の兵乱
3 第2次抵抗としての兵乱へ
4 第2次抵抗兵乱の展開
5 いわゆる桓武朝征夷前半の兵乱
6 坂上田村麻呂征夷とその周辺
7 弘仁期綿麻呂征夷の実態
8 災異と兵乱
終章 武士の兵乱へ