内容説明
「都会の軍隊は弱い」というイメージは本当だったのか。古さと新しさが併存する近畿地方の各地域で、軍隊がいかに存在したのかを探る。戦没者慰霊のあり方や在郷軍人会の成立など、民衆の視点からも軍隊を問い直す。
目次
農村と都会の軍隊―プロローグ
1 軍都・軍港論(軍都大阪の形成;軍都伏見の形成と終焉;軍都姫路と民衆;軍拡・軍縮と舞鶴鎮守府―三舞鶴町の盛衰)
2 軍隊と民衆(大阪府下の入営・演習・在郷軍人会;慰霊・追悼と民衆―遺骨・墓・仏教)
著者等紹介
原田敬一[ハラダケイイチ]
1948年、岡山県に生まれる。1985年、大阪大学大学院博士課程満期退学。現在、佛教大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
35
関西の大阪、京都(伏見、舞鶴)、兵庫(姫路と篠山)、奈良の軍事施設や軍民関係について述べられている。大阪と京都の部隊は弱いとされていたが、軍都としては結構規模があり、大阪ではかのゴーストップ事件とも関係した。ちなみに同事件の項目では、警察がファッショ化した面が問題提起されている。京都の師団は激戦地へ行った部隊が多い。2023/07/30
Jirgambi
2
わが地元奈良県の軍隊と地域社会研究は、著しく立ち遅れているそうで。高畑のあの辺りに軍人墓地もある事すら最近知った。俄然知らない事がまた増えて、郷土史としても、このテーマに愈々興味を持つ。大正生まれの亡縁戚の爺さんは、戦時中海軍に取られたそうだが、果たしてどの様な世界を観ていたのか。さらに昔の明治大正の先祖は、軍隊とどう関わっていたのか。子孫なのに、徴兵されたか否かさえも分からないのだから。2021/01/04
onepei
1
軍人墓地の整備が進んだのは、実は戦後。2015/04/25