内容説明
桓武王権の成立に始まる平安時代。蝦夷との戦いと国土の策定、律令制の再編、摂政・関白の登場など、社会秩序は大きく変動した。都と鄙の生活、遣唐使停止、国風文化の発生にも迫り、成熟・変質した九世紀日本を描く。
目次
九世紀はどう捉えられてきたか―プロローグ
1 桓武王権の成立
2 天皇家と平安貴族
3 都と鄙の生活
4 九世紀の対外関係
5 九世紀の学問と宗教
6 摂政・関白の登場と藤原氏
7 古代国家の成熟と変質
九世紀とその後の「日本」―エピローグ
著者等紹介
佐々木恵介[ササキケイスケ]
1956年東京都に生まれる。1987年東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位取得退学。現在、聖心女子大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonanddai
8
本書の中身は、桓武天皇の「長岡京」遷都から菅原道真失脚まで。事件的には早良親王事件だの、平安遷都、薬子の乱など、素人目には「派手さ」に欠けますが、古代(上古)から中世への過渡期、野球でいえば「カーブの曲がりっぱな」、教科書的には「国風文化」だの「摂関政治」へのさしかかりというところなのでしょう。律令の限界が見えてきて、貴族の顔ぶれも「次第次第に」変わってきて、密教が入ってきて、和歌が漢詩の陰で、それでもしっかりと命脈を保っていたのもこの時期ということです。個人的には今までの知識が整理することができました。2020/01/05
紫草
7
この時代の知識は全然なくて、はるか高校時代のかすかな記憶だけ。「この人、名前は聞いたことあるけど、何した人だっけ?」って感じで、最初はわからない人、事柄だらけで、どうしようかと思いました。学生時代に使った日本史辞典を引っ張り出して、調べながら読みました。でも、文章がとてもわかりやすくて、おもしろく読めました。これより前の時代は、すごく「古代」って感じがするけど、平安時代になると今とつながってる気がしますね。2015/05/13
はちめ
2
このシリーズで初めて面白かった。時代が新しくなって最新の研究成果の蓄積があるおかげなのか、単に著者の力量なのかは分からない。2014/01/11
takao
1
ふむ2020/11/19