内容説明
中盤戦の打込みで一挙に勢力を張る山名宗全と確実な布石で大模様をねらう細川勝元。対照的な両雄が対決した日本史上最大の内戦=応仁の乱を、将軍足利義政とその近臣、東西両軍の武将たちの人物像を交えて描いた名著。
目次
細川家と山名家
山名持豊(宗全)の前半生
勝元の登場および宗全との対立
分国の情勢
諸大名の分争
戦雲迫る
東西両軍の激闘
長期戦の様相
両将の死とその後の両家
著者等紹介
小川信[オガワマコト]
1920年東京市に生まれる。1942年國學院大学文学部史学科卒業。1965年國學院大学大学院博士課程単位取得。國學院大学文学部講師、助教授、教授を歴任。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
100
勝元と宗全につながるまでの状況をひたすら説明してくれる文章が続くも、細川家と山名家の系譜や特徴がよくわかり、案外読みやすかった。半分ほどは応仁の乱に入るまでなので、前置きは長いが、私のように知識のないものにはありがたい。山名宗全は、知力にたけたイメージがあったのだが、案外ワイルドであったようだ。二人がほぼ同時に亡くなっていたり、京都がそこまで焼き付くされていたことに驚いた。2016/03/08
Toska
16
原著の出版は1966年と古く、応仁の乱に関する古い通説を確認するという読み方にならざるを得ない。ただ、内容的にはよくまとまっていて面白い。幕政の屋台骨を支えたエリート・細川家と、力づくで勢力を拡大する武闘派・山名家。勝元と宗全もそれぞれの家の伝統を擬人化したような性格で、キャラ立ちがすごい。『新九郎、奔る!』で勝元が鯉料理を振る舞い医学に凝っている描写が出てきたが、あれには元ネタがあったようだ。2025/07/07
スプリント
8
思ったより山名宗全の全盛期が短いことに驚いた。 宗全の死から勝元の死までの期間が短いということは色々と想像させる。2024/10/16
Kiyoshi Utsugi
5
応仁の乱の西軍の総大将であった山名宗全と東軍の総大将であった細川勝元を取り上げたものです。 山名宗全の前半生、細川勝元の前半生から始まって、家風の違いを含めて論じています。 そして応仁の乱が始まり、二人が亡くなった後、応仁の乱が終わるまで。 さらにその後の山名氏の細川氏がどのようになったのか(以前に比べたら大きく衰退)までを解説したものです。 200ページほどありますが、中々この時代の人の名前は馴染みがないてめ、読むのが大変でした。すぐにあれ誰だっけ?となります。😅2019/03/27
9rikaz00
4
書かれた時代が時代なので、いささか古い部分もあるけれど、応仁の乱の概略を内部から論じた名著。とくに細川と山名の両家の成り立ちから現在に至るまでを書いている部分が役に立ちました。でも両者を宿命のライバルと位置づけるあたりがちと古いかな。今流行りのあの本と合わせて読むと、表裏一体を成してより深く理解できると思います(小並感)2018/02/28