読みなおす日本史
日本人の地獄と極楽

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  • サイズ B6判/ページ数 183p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642063937
  • NDC分類 181.4
  • Cコード C1321

内容説明

日本人は他界を身近にあるものと考えていた。山中他界は仏教の影響で地獄と極楽に分岐し、海中他界は極楽浄土に向かう補陀落渡海に繋がる。広範な民俗調査に基づき仏教教典には説かれない日本人の信仰生活を解き明かす。

目次

死後観と地獄極楽
日本人の他界観
山中他界と地獄
大峯山の金峯山地獄
地獄と滅罪
地獄救済と如法経
隣合わせの地獄・極楽
補陀落浄土と常世
補陀落浄土への旅
他界信仰から浄土曼荼羅へ〔ほか〕

著者等紹介

五来重[ゴライシゲル]
1908年茨城県に生まれる。1932年東京帝国大学文学部印度哲学科卒業。1939年京都帝国大学文学部国史学専攻卒業。高野山大学教授、大谷大学教授を歴任。1962年文学博士(大谷大学)。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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南北

46
人間の死後に対する世界観(他界観)は民族によって異なる。日本人は仏教から地獄と極楽を取り込んだが、山中や海中に他界があるとする日本独自の考え方によって大きく変容させている。お盆の行事も祖先の霊が山中(海中)から年に一度帰って来るという庶民信仰に基づいている。著者は従来庶民仏教として顧みられなかった分野を日本仏教民俗学として研究してきたそうだ。文章も読みやすいし、点描のように語られる話がやがて1つのイメージにつながっていく楽しい読書体験ができた。2021/02/15

三谷銀屋

3
極楽地獄の世界観は、仏教的な教えを庶民に分かりやすく説いたものだと漠然と思っていたけど、この本では、日本の極楽と地獄は、むしろ仏教以前の日本独特の他界観、民間信仰の思想が形を変えたものだと説明されている。山や海など、庶民の生活の場と隣り合わせに異界(地獄)がある、という考え方が山岳信仰や補陀落浄土の宗教観と結びつき、庶民に広がり、様々な説話や伝説や風習が生まれた。自分の創作の中でも「地獄」を出すことが度々あるけれど、漠然と捉えていた「地獄」の世界に新しい面白さを見ることができた気がした。2019/08/03

さんとのれ

2
形骸化してるように思える葬送儀礼も、衆生の救済をモットーとする庶民仏教による、責任をもってあの世に渡らせようとする行為の延長線上にあるのかと思えばまた違った見方ができる。2018/11/19

さんとのれ

2
日本における地獄極楽観というと仏教に根付いたものと思いがちだけれど、実際にはそれ以前からあった日本人の死生観によるところが大きい。確かに、テレビもネットもない時代に外来の宗教の観念がそのまま全国に広まったはずはない。日本人の精神性に合わせてカスタマイズされ経典から外れる姿は邪道かもしれないけれど、人が宗教に求めるものは何かと考えたら、それほど的外れなこととは思えない。2014/06/11

Go Extreme

1
信仰によって具象化し、現実化する他界 現世利益的な志向と来世への投資 地獄と極楽の近接性・一体性 民衆的浄土教 (地獄の恐怖と表裏一体) 山岳他界 と浄土信仰の融合 山越阿弥陀図 霊場としての山岳 補陀落渡海 葬送儀礼と念仏 盆行事と祖霊信仰 水を用いた禊 神仏習合的な地獄・極楽観 弥勒信仰の変容 (現世利益) 地蔵信仰 (地獄救済) 地獄巡り (修験道) 説経・絵解き 昔話・語り物 地獄劇が多い日本的な特徴 エリート仏教 vs 庶民仏教 仏教民俗 中世庶民信仰資料 山中他界 迎講 地獄破り2025/04/21

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