内容説明
南蛮より伝来した鉄砲とキリスト教は、戦国の社会に大きな影響を与えた。信長・秀吉と天皇の関係、織豊政権下の武将、民衆や文化に光を当て、“近世のあけぼの”を描き出した名著。書き下ろしの「終章」を増補する。
目次
概観 近世のあけぼの
1 キリシタンの世紀
2 信長・秀吉と天皇
3 織豊政権下の武将像
4 民衆から見た時代の様相
5 文化の伝統と断絶
終章 死生観をめぐって
著者等紹介
三鬼清一郎[ミキセイイチロウ]
1935年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。東京大学史料編纂所職員、名古屋大学教授、神奈川大学特任教授を歴任。現在、名古屋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
3
近世のあけぼの: 太閤検地論争と寄生地主制論争 キリシタンの世紀: 鉄砲とキリスト教 南蛮という世界 日本における村と町 信長・秀吉と天皇: 弾正忠と将軍義昭 関白の権限と機能 国郡制による支配の枠組 織豊政権下の武将像: 尾張の在地武士 子飼いの取立て大名 外様の旧族大名 秀次の側近武将 秀頼の側近武将 民衆から見た時代の様相: 濃尾平野の百姓 九州山村の名子 東北沿岸の漁師 近江盆地の商人 畿内周辺の職人 文化の伝統と断絶: 屏風絵の世界 神儒仏一体の思想 キリシタンの消長 死生観をめぐって2024/10/05
ohmi_jin
1
当初書籍名と表紙から鉄砲についての歴史書かと思っていたが、内容は戦国時代をまさに俯瞰したものであり、いい意味で裏切られた。ここまで戦国時代を学術的に俯瞰した書物はないのではないかと思う。原本は1981年刊行との事ですでに37年が過ぎているが、その考え方は今でも納得のいくことが多い。2018/02/18
wang
0
安土桃山時代当時の日本の姿。キリスト教宣教師から見た日本、信長・秀吉と天皇や統治機構、尾張から出て出世した武将達の実像や当時の百姓や漁師、文化や宗教・生死感なども。幅広く記述。2020/06/17