内容説明
日本古代王権成立期の雄族物部氏・蘇我氏の実像はどのようなものであったか。大王の権力は、いつ成立したのか。発見された金石資料や既知の文献資料により解き明かし、古代史の諸問題を分かりやすく描いた魅力的な書。
目次
序 古代王権の成立
1 記紀の天皇像と氏族(『古事記』の天皇像;『日本書紀』の編纂と古代氏族)
2 物部氏の伝承と蘇我氏(物部氏と海部―古代の航海;物部氏と大王家の降臨伝承;蘇我氏と古代王権;蘇我氏の出身地)
3 子代名代の部と掃守(東国と大王家;掃守と掃守氏の実像)
4 律令政治の運営と官人(漢字の習得と政治の運営;太安万侶の墓誌と『続日本紀』;授刀小考)
著者等紹介
黛弘道[マユズミヒロミチ]
1930年群馬県に生まれる。1958年東京大学大学院博士課程単位取得退学。学習院大学教授などを経て、学習院大学名誉教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
16
文献史学は、考古学に比べると、なんとなく閉じた学問という印象がある(偏見)。それは対象となる資料がいわゆる「史書」に限定していることが多いせいであって、この本の著者のように金石資料や紙背も含めて縦横に読みこなせば、史書を編んだものたちの政治的意図や、そこで抹殺された事柄を読み解くことができるものなんだ、、、と感心させられた。2022/11/10
くまきん
4
どうも東大を出た先生の書いた本は、文章が硬くて読みにくいて好きではない。しかし、物部氏の部分については大いに参考になりました。ありがとうございます。2016/02/05
熊谷章洋(´(ェ)`)くまちん
3
物部・蘇我氏を始め 当時の氏族の本貫(出身)地などを 丹念な史料の分析で考察した著作です。 記紀や万葉集を始めとする、史料の読み方に重点が置かれ、 個別具体的、ミクロ的な視点からの古代史解釈が中心となっています。 タイトルの物部、蘇我氏の範疇にこだわらず、 古代王権と東国との関係や、 漢字の普及など、内容はバラエティーに富んでいて、 枝葉から、木を知る、森を知るようなアプローチも また良いものだ、と 興味深く読み進めることができました。2012/09/04
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