内容説明
社会構成史の立場から「社会史」を批判し、天皇制、中世百姓の「移動の自由」、近現代の沖縄、被差別部落、の各本質についての客観的な解釈を示す。また「奴隷と犬」など平易な論説も収め、歴史学を志す人にも好適な入門書。新たに「豊臣秀吉の天下政権構想」を増補した復刊。
目次
網野善彦氏の近業についての批判的検討
歴史学からみた天皇制
世界史的範疇としての「天皇制」―網野善彦氏の「中世天皇論」についての批判的検討
網野善彦氏の近業についての批判的検討(再論)―網野氏の反論に反論する
天皇と“天皇制”
天皇の長期的・持続的存在についての分析視点をめぐって―網野氏の批判にこたえる
沖縄戦と米軍沖縄直接支配に対する天皇の個人的責任―復帰一五年と海邦国体前夜の沖縄との関わりから
はてしなき過程としての復帰―急速な本土化達成は幻想
琉球・沖縄と天皇・“天皇制”
復帰一五年、いまだに日本になりきれない沖縄―新崎盛暉『日本になった沖縄』によせて
式目四二条解釈と「移動の自由」
「無縁所」・「公界」=「公廨」・「随意」
織田権力の歴史的性格
歴史研究に占める社会構成史研究の地位
Xデー・「昭和」天皇・天皇戦争責任
著者等紹介
安良城盛昭[アラキモリアキ]
1927年東京都に生まれる。1953年東京大学経済学部卒業。東京大学助教授、沖縄大学学長、大阪府立大学教授などを歴任。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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