出版社内容情報
周辺地域の影響を受けつつ独自の発展をとげた琉球諸島。日本列島が江戸時代を迎えていた頃、琉球ではどのような文化が育まれていたのだろうか。近世遺跡の発掘調査を元に、歴史考古学の手法から、近世琉球文化史に挑んだユニークな一冊。喫煙・園芸・豚飼育といった三つの事象を掘り下げ、思想・風習・制度・行動・価値など往時の人々の日常に迫る。
内容説明
周辺地域の影響を受けつつ独自の発展をとげた琉球。江戸時代の頃にはどのような文化が花開いたのだろうか。喫煙・園芸・豚飼育を歴史考古学の手法で掘り下げ、思想・風習・制度・行動・価値など人々の日常に迫る。
目次
琉球諸島と考古学―プロローグ
喫煙(喫煙の考古学;近世琉球のキセル;周辺地域のキセル;近世琉球の喫煙文化―普及と評価、喫煙が結ぶ像)
園芸(園芸の考古学;近世琉球の植木鉢;周辺地域の植木鉢;近世琉球の園芸文化)
豚飼育(豚飼育の考古学;琉球諸島の豚飼育施設;文献史料、民俗誌にみる豚飼育施設;周辺地域の豚飼育施設)
三つの文化と近世琉球史―エピローグ
著者等紹介
石井龍太[イシイリョウタ]
1979年、千葉県に生まれる。2003年、東京大学文学部歴史文化学科考古学専攻卒業。2008年、東京大学大学院人文社会系研究科考古学専門博士後期課程単位満了退学。2009年、学位取得(東京大学、博士(文学))。現在、城西大学経営学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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二人娘の父
10
煙草と園芸、そして豚の飼育と利活用から、中世から近代の琉球の文化を読み取ろうという試み。面白いと思います。著者の本職?は考古学。考古学的手法による分析と、文字による史資料の読み解きは新鮮で、非常に興味深い。個人的に2022年は、沖縄に通いだして(もちろん仕事です)ちょうど10年の節目。沖縄関連で積読中の物を精力的に当たりたい。2022/01/03
アメヲトコ
6
2020年刊。著者は近世考古学が専門で、喫煙具・植木鉢・豚飼育施設という3つの物的史料を手がかりにして近世琉球の文化のありように迫っていく一冊です。著者も指摘していますが、20世紀後半というのは近世が本当に終焉を迎えた時期だったのだなあ。2022/10/20