歴史文化ライブラリー<br> 書物と権力―中世文化の政治学

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歴史文化ライブラリー
書物と権力―中世文化の政治学

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642058735
  • NDC分類 020.21
  • Cコード C0320

出版社内容情報

出版業が存在しない中世に、人は書物をどう入手していたか。書物の伝播・普及と権力との結びつきを解明。威信財としての機能に言及。印刷技術が未発達で出版業が存在しない中世社会において、人は書物をどのように入手していたのか。宗祇ら連歌師による流通への関与、伏見宮家から足利将軍への『風雅集』『玉葉集』贈与など、限られた者のみがアクセスできた「書物」の伝播・普及と権力との結びつきを解明。威信財としての書物の機能に言及し、古典的書物を持つことの意味に迫る。

書物というもの―プロローグ/古典的公共圏(古典の成立/古典的公共圏の成立)/伏見宮家と足利将軍―『風雅集』『玉葉集』の贈与(義満と崇光院、そして『風雅集』/栄仁と後小松院―名笛「柯亭」と御領安堵/義教と貞成―新御所と『玉葉集』)/一条兼良『源語秘訣』の変遷(一条兼良の知のあり方/兼良の『源氏』注釈―『花鳥余情』と『源語秘訣』に至るまで/正統的「古典学者」と『源語秘訣』/冬良から伝来した『源語秘訣』/冬良の周辺から伝来した『源語秘訣』)/書物をめぐる知と財、そして権力(書物・知をどのように手に入れたのか/知の流通と財の移動・交換―実隆と連歌師の行動から/延徳元年の実隆と宗祇)/書物の移動をめぐる力学(下賜された書物―『三十六人家集』の運命/物語としての「進上」―覚一本『平家物語』/畠山義総の『山谷詩集』入手方法/『正広自歌合』をめぐる大名間ネットワーク)/かわりゆく書物の価値―エピローグ

前田 雅之[マエダ マサユキ]
著・文・その他

内容説明

印刷技術が未発達な中世において、人は書物をどう入手していたのか。連歌師の流通への関与、伏見宮家から足利将軍への『風雅集』贈与など、書物の伝播・普及と権力との結びつきを解明。古典的書物を持つことの意味に迫る。

目次

古典的公共圏(古典の成立;古典的公共圏の成立)
伏見宮家と足利将軍―『風雅集』『玉葉集』の贈与(義満と崇光院、そして『風雅集』;栄仁と後小松院―名笛「柯亭」と御領安堵 ほか)
一条兼良『源語秘訣』の変遷(一条兼良の知のあり方;兼良の『源氏』注釈―『花鳥余情』と『源語秘訣』に至るまで ほか)
書物をめぐる知と財、そして権力(書物・知をどのように手に入れたのか;知の流通と財の移動・交換―実隆と連歌師の行動から ほか)
書物の移動をめぐる力学(下賜された書物―『三十六人家集』の運命;物語としての「進上」―覚一本『平家物語』 ほか)

著者等紹介

前田雅之[マエダマサユキ]
1954年山口県に生まれる。1978年早稲田大学教育学部卒業。1987年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、明星大学人文学部日本文化学科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

22
前近代の権力者は軍事力や財力だけでは駄目で、文化的素養も共有している必要があった。という話は名著『武士はなぜ歌を詠むか』(https://bookmeter.com/books/11030666 )でもおなじみだが、本書は教養などのソフト面ではなく、ハード面すなわち書物そのものを主題とする。印刷技術が発展していない時代、書物はお金さえあれば手に入るわけではない。様々な回路を用いた人間関係が物を言う。新興の宗教勢力でありながら古典の収集を通じて文化的権威を上昇させた本願寺など、どの事例も興味深い。2025/04/18

軍縮地球市民shinshin

13
「古典的公共圏」という概念を著者は提唱する。つまり、教養として読んでおかなければならない本を「古典」と呼び、出版業界が未確立の中世ではそれらを相互貸借できる上流の情報ネットワークが形成されていた、ということらしい。この仲間に加わらないと、上流とは呼べず、官位昇進や家格上昇も望めない。成り上がりの戦国大名はこのネットワークに入りたがっていた、という実例も能登畠山義総の例を提示しながら概説をしている。なかなか面白いが、古典を介しての権力構造、政治秩序にまで言及してほしかった。2018/09/20

bapaksejahtera

6
著者はプロローグの中で1990年頃教養主義としての読書がソ連の崩壊と時を同じく終焉した述べる。聊かショッキングである。この教養主義の淵源として、その主な対象となった我国の古典の成立を紐解く。即ちそれら教養主義対象物である古今、伊勢、源氏等が江戸初期に商品流通し始める以前の機能を説く。それが本書の書題と副題に表されている。書物という知的財産を基にまず古典的公共圏という物が貴族を中心に形成される。それが武士層の知的興起、宗教の新興権威に、更に地方にも波及していく。その態様を大部ならざる本書は見事明らかにする。2020/08/07

5
中世日本で書物が政治に与えた影響を論じた本。写本が主な書物の入手方法だった江戸時代以前は、貴重な書物を所有する貴族や大名の元へ赴く必要があった。そこには上下関係が生じ、また写本後は同じ本を読んだ者のコミュニティへ参加する。現在「教養」と呼ばれ必読となっている古典も、大本の本の持主が権力者であり、権力者のサロン化したコミュニティに参加したことが社会的グレードとして評価された一面がある。美術・骨董品と同じように、古典的書物の贈与が為されていた時代。活版印刷による価格破壊では終わらない、隠微な意味合いを持つ。2018/10/13

Bks

4
本書を読むと、平安~江戸初期まで書物は知識人同士のコネで貸し借りされ、写され、古典の注釈は様々な流派の秘伝として伝授され、家を存続させるひと財産となりえたのが分かる。そのうえで歴史を見てみると戦国の世で様々な主に仕え家を守り抜いた細川幽斎は、政治力、保身力だけではなく彼の持つ人脈や膨大な蔵書、知識が諸大名にとっても失うには惜しいと思わせる人物だったのだというのが見えてきて面白い。2021/11/23

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