内容説明
「ほとけ」、すなわち仏像はいかなる人々によってなぜ造られたのか。止利仏師や定朝、運慶、快慶ら、飛鳥時代より鎌倉前期に活躍した仏師の姿や、彼らが率いた工房の活動を描き出す。仏像をより深く理解できる一冊。
目次
飛鳥時代の仏師(仏像製作のはじまり;止利(鳥)をめぐって ほか)
奈良時代の仏師(官営工房による造仏の時代;造東大寺司をめぐって ほか)
平安時代前期の仏師(造東大寺司廃止後の仏師の動向;官営工房系仏師の展開 ほか)
摂関期の仏師(康尚の時代;定朝の時代 ほか)
院政期の仏師(円派仏師の動向;院派仏師の動向 ほか)
鎌倉時代前期の仏師(慶派仏師の台頭;運慶の時代 ほか)
著者等紹介
根立研介[ネダチケンスケ]
1956年新潟県に生まれる。1980年京都大学文学部卒業。1981年京都大学大学院文学研究科修士課程中退。京都府教育庁指導部文化財保護技師、文化庁文化財保護部美術工芸課文化財調査官、京都大学大学院文学研究科助教授を経て、京都大学大学院文学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
45
止利仏師が活躍した飛鳥時代から運慶、快慶の活躍した鎌倉時代を中心に仏師の姿や活動の様子、代表作などが概観されています。少々、学術的な本です。飛鳥時代から鎌倉時代までカバーしているためか、有名な仏師を掘り下げるのではなく、どうしても浅く広く書かれている印象が残りました。2019/12/15
ユウユウ
43
ざっと速読なのであまり内容把握は出来ていませんが。写真少なめなので、美術全集などを手元に読みたくなる。この手の本なのに第2刷まで出てるところがすごい。2017/01/16
umeko
14
時代毎に丁寧にまとめられていて勉強になった。東大寺南大門の仁王像の迫力に慶派の華々しさを感じていたが、それでもやはり京都仏師が造仏界の中枢にいたことを知った。だからこそ、慶派の活躍が華々しく感じるのだろう。2015/11/03
chang_ume
12
仏師系譜から造仏体制の画期を追跡。止利仏師を例外として作者が匿名的な飛鳥・奈良期の官営工房体制から始まり、私的工房を率いて大規模造仏にあたる平安中期「康尚」の登場が、史料記載と造仏体制さらに僧綱位の画期とする。また定朝後のいわゆる正系三派(院派、円派、慶派)の成立と展開に関しても整理が行き届き、仏像史の基本文献となるだろう内容だった。個人的には奈良期から平安前期にかけての、仏像材質の変化、そして捻塑系から彫塑系への様式変遷が、和様成立の鍵ともなる画期と思われて、9世紀前後の造仏事業を知りたいところです。2021/03/22
heslkst
7
仏師の流れがなんとなくわかった。 端々にある仏の写真が素敵だった。カラーならもっと良かったけど。 実物も見てみたいなぁ2016/09/22