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歴史文化ライブラリー
アマテラスと天皇―“政治シンボル”の近代史

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642057349
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0320

内容説明

明治政府は、統治を正当化するためにアマテラスを政治シンボルとした。その経緯や後の変貌と暴走、戦後の解体を分析。近代天皇制の政治神話を解明し、現代の「象徴」天皇制を「安全・無害」と考える日本人に警鐘を鳴らす。

目次

天皇制における「シンボル」とは何か?―プロローグ
統治/革命の正当化―政治シンボルのアンビヴァレントな性質(政治シンボルの創出―明治維新とアマテラス;統治の正当化―政治シンボルとしてのアマテラスの創出と展開;革命の正当化―政治シンボルとしてのアマテラスの流用;維新政府による政治シンボルの再編―アマテラスの流用と一元化)
宗教と非宗教の狭間に―政治シンボルの馴致(神道国教化政策の展開―政治シンボルのリスク;アマテラスから神武天皇へ―政治シンボルの世俗化;国教化と世俗化の微妙なバランス―政治シンボルの馴致)
せめぎあう解釈―政治シンボルの暴走へ(帝国憲法体制の亀裂―政治シンボルのリスク、再び;「シズム」の時代のアマテラス―官制国体論と民間国体論の相克;異端と正当の逆転―政治シンボルの暴走へ)
「象徴」天皇制再考―エピローグ

著者等紹介

千葉慶[チバケイ]
1976年、千葉県に生まれる。1998年、千葉大学文学部史学科卒業。2004年、千葉大学大学院博士課程(日本近代美術史)修了。現在、千葉大学・明治大学・和光大学・武蔵野美術大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メルセ・ひすい

2
15-133Dr.論文・日本近代美術史「近代天皇制国家における神話的シンボルの政治的機能」★正統派の天皇制研究に比べて明らかに異質、周辺は見える。実証的、研究、調査、言い回しは不用意。膨大な植民地神社は蚊帳の外。明治政府は統治を正当化するために、アマテラスを政治シンボルとした。『古事記』『日本書紀』に描かれた皇祖神アマテラスは、古代天皇制が天皇の統治を正当化するために創出した政治的シンボルである。その経緯や後の変貌と暴走、戦後の解体を分析。近代天皇制の政治神話を解明し、現代の「象徴」天皇制について考える。2012/03/01

呑司 ゛クリケット“苅岡

1
古事記、日本書紀の真贋を見極めようとホツマに辿り着いたと思ったら、ホツマは創作だと言われた。同様の思いを今回は天皇で体験した。何れの国でも為政者は権威の正統性を示すために神話を利用して来たが、多神教の我が国では、一本化出来そうなのが天皇制しか無いのだろう。政治は当たり前に、軍部、宗教等々幾ら蹂躙すれば、ただひたすら国家の安寧を願う人として天皇が平和のシンボルとなれるのだろう。2020/07/11

Kenji Suzuya

1
明治から昭和にかけて、統治の正統性根拠として、宗教シンボルとしてのアマテラスがどのように利用されてきたか、を中心に扱う。主張は全体的にこじつけの印象が強く、根拠となる史料からの説得的な導出はできていない。また、現代の象徴天皇制についての論では、「象徴」の意味内容や実態を考慮することなく、「政治シンボル」「宗教シンボル」と読み替えていることから、さらに説得力が薄い。全体として、政治学や政治思想史に対する知見が薄いことが如実に表れており、意欲は認めうるものの、専門外に手を出す危うさを強く感じる。2015/11/11

Norihumi Yahata

1
宗教に対して勉強足らずって感じ、資料を意図的に歪曲して解釈しているところがちょくちょくあった。天武天皇がアマテラスを律令国家を確立させるために利用したとかあるけど、そもそも旧辞帝辞が聖徳太子の時代に完成していたことを知らんのか?と思った。2014/05/24

Teo

1
大日本帝國憲法下においても天皇の位置づけは一貫したものではなかった。それは明治維新直後の政権の正統性をどう持たせるかによって大いに変動したのは当然の事ながら、帝國憲法発布後であっても揺れ動いていたと言う。そして現行憲法の象徴天皇とはどう言う物なのかを考える資とするべきとの話ではあるが、しかしそれは何だろう。今の形はこれはこれで良いとは思う。少なくともここ最近の首相を我が国の元首とは到底受け入れがたい。2011/12/10

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