内容説明
旧満洲・韓国・台湾に建てられた、数多くの日本の植民地建築。戦争の記憶を今日に伝えるそれら植民地建築を見ながら、日本の東アジア支配に果たした役割を探る。建築様式と建築技術も踏まえ、歴史的意味を考える。
目次
植民地建築と建築家―プロローグ
広場と官衙
駅舎とホテル
学校・病院・図書館
銀行
支配者の住宅
植民地建築が語る歴史
植民地建築のその後―エピローグ
著者等紹介
西澤泰彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年、愛知県に生まれる。1983年、名古屋大学工学部建築学科卒業。1993年、東京大学大学院博士課程修了。現在、名古屋大学環境学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アメヲトコ
7
11年刊。「紀行」とありますが、いわゆる時系列で語る紀行ではなく、著者がかつて訪れ撮影した旧日本植民地の建築を種類別に紹介する一冊です。こんな建築が遺っている(いた)のかと勉強になりますが、地図が一枚もないのが惜しまれます。こうした建築は日本の植民地政策と不可分であって、現地の人々からすると複雑な思いがあるのでしょうが、それでも少なからぬ建築が文化財となって使い続けられているのはありがたいことです。北朝鮮ではどうなっているのだろう……。2021/11/29
wang
2
主に満州朝鮮台湾で建築した近代建築を紹介する。植民地を支配するための施設、支配者を畏怖させる規模や壮大さ、支配者への服従心を芽生えさせる医療・教育・文化施設。地域別や時代別ではなく用途別に紹介。広場と官衙、駅舎とホテル、学校・病院・図書館、銀行、支配者の住宅。各地でそれぞれの建物を専門にする建築家がおり、この建築家が学んだ西欧建築や独自に東アジアに適用させた意匠がある。植民地支配をするために造られた物が百年後も使われ文化的遺産として継承される。個人撮影の写真なので数が少なく内部や細部もわからないのが残念。2023/04/03
takao
1
ふむ2021/06/07
Teo
1
日本の植民地建築に焦点を当ててどう言う経緯で建てられ大戦後にどう扱われたかを調べた物。概ね台湾の物はそのまま遺産として使われ、韓国の物は物によって扱われ方が異なり、中国の物は物次第で転用か消滅になっている。特に中国の物は近年経済発展に伴って建て替えられた物と思われる。日本が建てたとかはそうは拘っていない様な印象。2011/11/06
waiwai
0
建築は歴史を語っている、歴史そのものである。当時の建築家の知識背景を知りたい。本をもって中国の東北を歩きたくなりました。2014/07/25
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