内容説明
泰平の世、全国の善男善女はこぞって名所めぐりの旅に出かけた。寺社参拝のために故郷を後にした庶民の覚悟や、文人層の修養と名所めぐりをかねた旅など、行動文化の視点から、旅の大衆化が進む江戸時代を探訪する。
目次
江戸の旅と現代の旅―プロローグ
旅に出る前に(往来手形と関所手形;参詣講;餞別と土産)
旅の実態(ルートの選択―円か直線か?;参拝の実態;旅の食事)
文人層の旅(文人層の旅の特性;地誌の役割;武家の聖地鎌倉」;文人層と庶民が交わる場―江ノ島)
旅の大衆化(堕落した宗教?;負け組の巻き返し;かつてたくさん廻ってきた宗教者;伊勢参宮の動態化―参詣地の複合化へ;行動する文化の時代)
旅の大衆化を経て―エピローグ
著者等紹介
原淳一郎[ハラジュンイチロウ]
1974年、神奈川県に生まれる。1998年、慶應義塾大学文学部史学科卒業。2006年、同大学大学院文学研究科史学専攻後期博士課程修了、博士(史学)。現在、山形県立米沢女子短期大学日本史学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Marie
6
江戸時代は「文化の大衆化」の時代であると言われている。そして文化的現象に身を投ずる姿を「行動文化」という。その中でも代表的なものが「寺社参詣」であった。手形が必要な時代、交通手段を考えても一生に一度の経験。だから数ヶ月かけて巡覧する。死の危険もあるから餞別、土産がある。聖性を感じる寺社参詣と、俗性を感じる物見遊山が繰り返される。旅に出て、知らない土地を見る事により故郷を再認識する。定住したからこそ、旅は生活の一部でなく、ひとつの文化となる。フィールドワーク、登山、紀行という側面、イニシエーションというのも2021/07/22
アメヲトコ
0
タイトルの「江戸」は都市のことかと思ったら江戸時代のことでした。参詣史の入門書としてバランスがよい構成。2012/02/16
takao
0
ふむ2021/07/23
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