内容説明
七世紀後半から現在まで続く「日本」という国号は、いつ、誰が、どう定めたのか。それまで使っていた「ヤマト」「倭」から変更した理由は何か。「日本」の成立を中国や朝鮮との関係を辿りつつ探り、その意味や由来を解明する。
目次
国号論の提起と現在―プロローグ
国号「ヤマト」と古代国家形成事情
「日本」国号の成立とその事情
日本国号の制定
日本国号の由来
戦前の研究史をふりかえる―エピローグ
著者等紹介
小林敏男[コバヤシトシオ]
1944年、長野県に生まれる。1978年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大東文化大学教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hyena_no_papa
5
国号についての本といえば岩橋小弥太『日本の国号』一択で長い事済ませてきたが、とある本の参考文献として本書が取り上げてあったので借りてきて読む。本題に入るといきなり〝国号「ヤマト」と古代国家形成事情〟という一章が設けられ、古代国家形成について論ずる。この辺りはややもどかしい感がしたが、徐々に諸史料に基づく行論となり、納得感が出てくる。p168斉明五年「伊吉連博徳書」の「日本国天皇」が日は曰の誤ではないかとする江戸時代河村秀根の説を取り上げた点は大収穫!終盤で日本国号と韓半島との関連を指摘するのは興味深い。2024/07/05
wang
1
「日本」が歴史資料上どのように記されたか。列挙的。「倭」から「日本」への転換が表記上の問題しかも対外利用面でのみであり国内的には「ヤマト」で変わりがなかったというのは興味深い指摘。2013/02/17
Teo
0
日本と言う国号についてそもそもの名称である「ヤマト」から初めて数々の論考を参照して慎重に議論を進める本。古代史である以上推論になってしまう部分もあり、著者自身の意見はあるがそれも議論の俎上におかれるものとして述べられる。資料にもなるしなかなか良かった。2010/09/19