歴史文化ライブラリー
江戸幕府の日本地図―国絵図・城絵図・日本図

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642056861
  • NDC分類 291.038
  • Cコード C0320

内容説明

江戸幕府が諸国大名に作成を命じた国絵図と城絵図は日本総図として集成された。地図編纂事業の目的は何か?伊能忠敬まで測量技術はどのように発達したのか?幕府の全国統治とともに描く、「日本地図」誕生の歴史。

目次

わが国における官撰地図の系譜―プロローグ
江戸初期の国絵図と日本総図
江戸幕府の国家的地図事業
日本図作成技術の進展
紅葉山文庫の国絵図
新政府に継承された明治国絵図―エピローグ

著者等紹介

川村博忠[カワムラヒロタダ]
1935年、京城府(現ソウル)に生まれる。1961年、九州大学文学部史学科西洋史学専攻卒業。1965年、広島大学文学部史学科地理学専攻卒業。元山口大学教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーくん

86
吉川弘文館の本はいつもながら専門的というか、マニアック。江戸時代の日本地図としては伊能忠敬の『大日本沿海與地全図』が有名だが、勿論それ以前にも幕府は全国支配のため地図(国絵図)を編纂している。慶長国絵図、寛永の上納国絵図、規格・様式の統一を図った正保の国絵図、細部まで幕府の意向が貫徹された5代将軍綱吉治下の元禄の国絵図改訂、地図好き8代将軍吉宗の命による享保日本図。これらの国絵図は古来の「国」単位で諸大名に命じて調進させた。そして伊能忠敬が自ら蝦夷地をはじめ全国を測量し完成させた驚異の”伊能図”へと続く。2020/09/13

浅香山三郎

14
少し前に読んだ上杉さんの本は、江戸時代に流布した日本地図像を巡る話だつたが、本書は当時の公儀(江戸幕府)が江戸時代の諸段階にどのやうに地図を作らせたかといふ過程を追ふ。 吉宗の地図好きの話や伊能忠敬による測量法の精緻化など、官による地図作りの蓄積が非常に分厚いものだつたことがよく分かる本である。2017/06/05

Teo

5
日本の地図に関する印象は、行基図と伊能忠敬の詳細な日本図だが、その間隙を埋めると言う訳でもないが江戸幕府による日本地図作成事業があると言うのをあらためて知った。幕府の権威の高まりとともにその段階が異なるのも面白い。元禄度の日本図は統一感と言う点ではかなり達成度が高いが、その前の正保度の地図の方が方位などは正確で、それを気にした吉宗が享保度の地図作成を命じるなど非常に得る物があった。2010/01/24

wang

4
江戸時代に作成された国絵図・城絵図・日本総図。誰が何の目的でどのように作成されていったのか。豊臣政権時代に統治権者の証明として始められた事業。家康がそれをまねて作った慶長国絵図。その後寛永期に石高調べとして作成され、正保には軍事目的で。その頃には全国を統一的に見るための書式の統一などが始まっている。天保には国境を合わせ総図を作るために精度を高める工夫も見られる。吉宗による享保国絵図を経て、伊能忠敬の偉業まで続く。伊能図は明治の統治にも活用される。作図法や規格などの細部まで詳しい。担当役もわかる。2015/06/03

Great Eagle

3
江戸時代に苦労しながら国絵図を完成させたことで、日本という形が出来てきた。そして、国づくりが始まり、攘夷やら国体やらの難しい時代へと動いていく。非常に面白い本でした。読み始めは辛かったですけど。2010/05/15

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