歴史文化ライブラリー
秦の始皇帝―伝説と史実のはざま

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642055321
  • NDC分類 222.041
  • Cコード C0320

内容説明

紀元前3世紀、中国最初の全国統一を成し遂げた秦の始皇帝。司馬遷の『史記』や新発見の出土資料、現地調査を駆使し、伝説の真偽に迫る。万里の長城を築き、今も兵馬俑に守られ眠る、謎に包まれた実像とその時代を描く。

目次

始皇帝の実像を求めて―プロローグ
秦王政と戦国という時代(秦王政の誕生;暗殺未遂事件;六国の滅亡)
皇帝の統一事業(始皇帝の顔;秦帝国を支える思想;諸制度の統一;巡行する皇帝)
戦争の再開と始皇帝の死(万里の長城;始皇帝の死)
伝説と史実のはざま―エピローグ

著者等紹介

鶴間和幸[ツルマカズユキ]
1950年、東京都に生まれる。1974年、東京教育大学文学部史学科東洋史専攻卒業。1980年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、学習院大学文学部教授
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感想・レビュー

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1
紀元前三世紀に初めて中国を統一した秦の始皇帝の研究書。統一後十五年、始皇帝の一代で滅びてしまった為彼についてはステレオタイプな「暴君」と描かれることが多い。そうしたものを助長するものとして、後の時代に書かれた歴史書が登場するのだがそこには間違いなく悪意が含有されている。では秦の始皇帝の実像を掴むにはそのような資料が適しているのか。結論から言ってしまうと「資料不足」で、地方の竹簡に当時の政策が残されてはいるものの、そこに書いてある地名や地方官が実在していたかどうか分からず、まだ研究途中の分野なのだなぁ、と。2011/04/27

韓信

0
『史記』のソースを『秦記』と、司馬遷が東方(旧六国)で採集した伝説等に分類し、著者自身の現地踏査と考古学的研究成果を援用することで時代・地域ごとのバイアスを剥ぎ、始皇帝の実像に迫ろうとする意欲的評伝。秦簡から伺える、民衆にとって栄達の機会であった統一戦争や、裁判史料中の刑罰など、当時の社会をいきいきと蘇らせる筆致も良いが、荊軻を描いた漢代画像石でも東方では反秦色が濃厚だったりと、東西の地域差の分析が面白い。とくに始皇帝の周鼎引き上げ失敗の伝承が残る彭城が、項羽の西楚政権の都だという指摘は目から鱗。確かに!2015/10/30

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