内容説明
最澄によって開創され、千古の法灯を今に伝える比叡山。その歴史と高僧たちの心を振り返り、法儀・行事に照明を当てる。また、厳しい修行の足跡と、堂塔や仏像などの文化財を巡り、世界文化遺産登録への意味を考える。
目次
日本文化と比叡山―プロローグ
世界文化遺産と比叡山―延暦寺から
比叡山の歴史
叡山の堂塔と仏たち
比叡の文学と伝説
千古の法儀と行事
叡山の修行と教え
比叡山を歩く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moonanddai
9
延暦寺のガイドブックと言っては著者の方に申し訳ありませんが、延暦寺の歴史から始まり、僧侶、建物、仏像、伝説、行事、自然などなど広く紹介いただいた。ちょっと面白かったのは、最澄(伝教大師)の入唐事情について。空海の親は正六位上で本人も大学出、最澄の親は正八位下という出自の関係で、方や長期の留学僧、方や官費ではあるが短期だったと、天台としては(いまだに)ひがんでいるみたいな認識を持ってる風に感じました。個人的には最澄のほうが、時の天皇と近しい関係にあり、それなりの扱いだったと思っていたのですが…。2023/09/05
rbyawa
1
g113、京都の北に位置する比叡山があり、そこに作られたというのが延暦寺。正直来歴に関しては大人しい内容になってしまっているというか、さすがに比叡山に在籍しながら学校の先生を長年続けている著者さんだと踏み込めなかったのかな、という部分がないでもなかったんですが、土地の話などは長いことおいでの方ならではの詳しさだったように思います。ところで読んでいて少し気になったのが唐から来た鑑真さんがこの地から京都を眺めたってのは、寺の位置と関係あるのかしら? 天台宗は密教も受け入れてるしなぁ、まあ偶然かもしれませんが。2016/11/21