出版社内容情報
中野 等[ナカノ ヒトシ]
著・文・その他
内容説明
黒田官兵衛、如水として知られた武将。虚実交々に語られてきた人物像を史実から再構築!
目次
第1 播磨・黒田家
第2 小寺家の家臣として
第3 羽柴秀吉への臣従
第4 中国・四国経略
第5 九州平定
第6 豊前での領国支配と家督移譲
第7 失意の朝鮮出兵
第8 再起を期した「関ヶ原」
第9 孝高の晩年と慰め
第10 孝高の死
著者等紹介
中野等[ナカノヒトシ]
1958年福岡県生まれ。現在、九州大学大学院比較社会文化研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
20
書名が「官兵衛」でも「如水」でもないところに、確かな史料を基に実像を描くんだという意気込みを感じたり。「軍師」ではないのは当然だが、その虚像がなくなっても、なお優れた武将の姿が残るのは流石。個人的には秀吉との緊張感あふれる関係が読みどころで、毛利家との交渉などで抜群の信頼を得ながらも、朝鮮の役ではスケープゴートとして猛烈な叱責を浴び、失脚寸前なのが印象に残る。またその毛利とのパイプや政権内での位置が、関ヶ原での去就に繋がったのも面白い。播磨の国衆から筑前の国持大名へ。激動の時代を懸命に生きた姿がある。2022/10/09
うしうし
6
黒田孝高(官兵衛)については、大河ドラマが放映されていた時期(2014年)に次々と刊行されていた新書などを数冊読んだ。本書は一次史料を最重要視した書籍で、私には難しく、ようやく読み終えたという感想。例えば、官兵衛の祖父(重隆)の時代に目薬を売って財を築いたという伝承などには全く触れられていない。その内容をさらに理解するためには、再読必至であるが、孝高の養子であった松寿(p195~196)や岡田三四郎利良(旧豊臣秀次家臣で後に黒田監物と称し、領国経営などで活躍・p202)のことは、本書で初めて知った。2023/01/13
とりもり
2
「黒牢城」で黒田官兵衛に興味を持ち、物語ではない史実を知りたくて読了。一体、どこから「軍師」のイメージが定着したのか謎なレベル。「軍師」として活躍した形跡はないし、むしろ秀吉の朝鮮出兵やその後の九州制圧での動きは、秀吉や家康に翻弄される一戦国武将以外の何者でもない。但し、キリシタンなのに秀吉に排斥されなかったり、西軍(本書では奉行方)に与しながら家康からも(国変えはあったが)所領を与えられるなど、その処世術が軍師のイメージにつながっているのかも。歴史小説によって創られる人物イメージって恐ろしい。★★★☆☆2023/01/28
アキンドン
0
黒田官兵衛孝高の生涯を、一次史料から再構築した一書。人口に膾炙する「軍師」としてのイメージは江戸期や明治期の著書によって作られた。実際の官兵衛孝高はどのような人物だったのか? 日本歴史学会が著する一書。2024/05/22
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