内容説明
北近江を舞台に、亮政・久政・長政と三代にわたる繁栄を誇った戦国大名浅井氏。「国衆」から下剋上して領国支配を展開。小さな戦国大名でありながら織田信長と互角に戦い、軍事的に敗れはしたが、畿内近国ゆえに中央政治史に大きな影響を与えた。北近江の地域社会が生んだ戦国大名浅井氏の足跡から浮かび上がる、新たな戦国大名像とその時代を描く。
目次
第１ 浅井氏の登場―『江北記』の世界
第２ 浅井亮政の時代
第３ 浅井久政の時代
第４ 浅井氏権力の形成―京極氏から浅井氏へ
第５ 浅井長政の登場
第６ 浅井長政と織田信長
第７ 浅井長政と対信長包囲網
第８ 浅井氏の終末
著者等紹介
宮島敬一［ミヤジマケイイチ］
１９４８年東京都生まれ。１９７１年横浜国立大学卒業。１９７８年明治大学大学院博士課程単位取得退学。博士（史学）。現在、佐賀大学経済学部教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
6
京極氏配下の国衆から北近江の戦国大名へ雄飛した亮政・久政・長政の評伝。イメージに反して朝倉氏との関連の薄く、むしろ江南の六角氏や美濃、京都の勢力との複雑な関係が印象に残る。周辺勢力の介入を招きながらも、「守護・京極氏」という権威をなんとか乗り越えようとした３代の苦闘を思うと、浅井氏を京極氏の被官としか捉えなかった信長に対する長政の裏切りも腑に落ちるところがある。ただ著者が国人一揆を母体とする浅井氏の統治を、平和的・民主的なものとして信長の統治と対置しているのにはもやもや感。2017/12/03
newborn
4
一介の地方の豪族から戦国大名までのし上がった浅井氏ではあるものの、支配領域の拡大も限定的なものに止まったせいか、織田包囲網以外では日本全体を巻き込むような展開にあまり関与せず限定的な役割に甘んじている印象があり、本書も瑣末な記述が多いとの印象を受けました。2018/09/04
北鹿
2
滋賀県北部の戦国大名「浅井氏」の興亡の記録。初代亮政から三代長政まで「国人一揆」の首領から「戦国大名」と成長していくまでの過程が非常に興味深かった。律令制における荘園が多かった近江国が、近畿特有の「惣国」を中心とした行政組織に移り変わっていく。その過程で浅井氏がいかに権力を握っていくか。長政がなぜ織田氏と敵対していったのか。久政は本当に暗愚だったのか。朝倉氏との関係は？それぞれに安堵状や書簡を中心にひも解いて行く。国人の連帯である「惣」が浅井→羽柴→豊臣となっていく中で、現在の市町村にあたる地方行政の元に2012/07/05
サトー
2
信長にぬっころされたことしか知らなかった地元の戦国大名であるが、成り立ちやら政治思想だとかに触れられてていいですね2012/07/02
