内容説明
徳川4代将軍家綱期の老中・大老。「下馬将軍」と称され、権勢をふるった専制政治家と評されるが、意外にもその素顔は、小柄で端正な顔立ちのよく笑う人物で、芸能を好み、また大変な早口で有名であったという。譜代の名門、酒井雅楽頭家に生まれ、政治的資質にも恵まれながら、なぜ後世に悪者として描かれたのか。その生涯と時代に迫る初の伝記。
目次
第1 生い立ちと酒井家(誕生と酒井家の先祖;祖父酒井忠世 ほか)
第2 老中時代(幼少将軍家綱政権の発足;忠清の上洛と雅楽頭叙任 ほか)
第3 大老時代(大老職への就任;伊達騒動 ほか)
第4 忠清の失脚とその死(夢想の加増二万石;家綱の死 ほか)
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年福岡県に生まれる。’93年九州大学大学院文学研究科博士課程中途退学。’97年九州大学にて博士(文学)の学位取得。国立史料館助手を経て、現在、東京都立大学人文学部助教授。著書に「幕藩制的秩序と御家騒動」がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
圓子
0
文学部史学科卒なわけですが、この手の文章はやはり苦手。私の中身が史学の文脈じゃなかったのだろうね。田沼との比較に読んでみようと思ったのだけど、「権威を誇った」と「言われている」だけで両者を比較する意味があまりない気がする。忠清と意次の時代背景がかなり違うし、両者の職掌も随分違うもののようだ。2012/01/11
katashin86
0
徳川幕府四代家綱期に筆頭老中として「下馬将軍」とうたわれる権勢を得た幕閣の人生をたどる評伝。 徳川幕府草創期に、名門譜代大名が属人・属家的な取次慣行で大身の外様・一門大名とつながり、幕府統治を主導して権力を得ていたこと、自身が推進した幕府の組織化の中で、属人・属家的なお家騒動処理の失敗で失脚したこと。中世から近世への移行の最後の仕上げの時代についていろいろと知ることができた。2021/08/21
-
- 電子書籍
- 【デジタル限定】岡田紗佳写真集「とって…
-
- 和書
- ガラパゴスの怪奇な事件