内容説明
本書は通親の生涯の足跡をたどり、できるだけ正確な全体像を描く。また改元定、院殿上定など儀式制度の内容にも具体的に触れ、当時の宮廷生活を垣間見させる。
目次
第1 村上の源氏
第2 朝廷出仕
第3 朝政参議
第4 源平争乱の渦
第5 天下草創の秋
第6 院近臣の歩み
第7 朝幕関係の新展開
第8 源博陸
第9 続発する都下騒擾
第10 栄光の晩年
むすび―通親以後
附 久我源氏中院流家領と通親
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フランソワーズ
2
公家源氏として、院政期や源平騒乱、さらに後鳥羽院、鎌倉幕府、九条兼実とその与党らによる政争の渦中を生き抜き、「源博陸」と呼ばれるほどの権勢を得るまでに至った通親の評伝。はしがきにあるように、通親自身による日記等がないために、兼実らの政敵の側から光が当てられた「通親」像がまかり通るなか、なるべく公平な目で事績を追っている。わたし的には比較的予備知識がある後鳥羽院、源頼朝、九条兼実と渡り合った時代がいちばんおもしろかったです。2021/04/24
Waka
1
読者様からのプレゼント。政敵である兼実の日記から兼実視点で語られた通親像に偏らず、その人物像を読み解いてゆく。兼実の時代錯誤で朝政から取り残されゆく感じに既視感があった……。2024/01/27
おん
1
通親が好きなので再販で購入しました。 この時代の小説に登場する際は必ず悪役として描かれ、変わり身の早い策謀家として有名です。しかし家門や子供たちを背負って、動乱の中でも一生転職できずに家格上昇に努め続ける廷臣という決められた人生で、通親なりに大変だったと思います。この人物叢書には平家の走狗や陰謀家の面だけではなく、高倉院の忠臣としての通親の姿も描かれています。ぜひ『源通親日記』も併せて読んで頂きたいです。2018/09/09
Nobuyoshi
1
後鳥羽天皇の頃の実力派公卿だったとか。昔、読んだけど最近買い直して読んだものの、その動機不明。先例、昇進競争、公卿さんも大変だったようだ。この人、後鳥羽上皇時代、和歌の興隆にも寄与して、単なる能吏というわけでもなかったらしい。2016/06/17
葉つき みかん
0
久我源氏の歴史を、雅実から述べてくれている箇所が面白かった。
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