内容説明
土佐藩政確立期における名宰相野中兼山は、単にすぐれた政治家というだけでなく、儒学者であり、経世家でもあった。徹底した藩体制確立のために、反兼山派の抬頭をみ失脚の悲運に遭遇するが、近世末の土佐藩の活躍は彼に発端するといっても過言ではない。本書は経済史的な観点を踏まえ、未公開の史料を駆使して、土佐藩政史の中に兼山を浮彫りにした好著。
目次
兼山のおいたち
兼山前の土佐藩政
兼山政治の概要
兼山と南学
兼山と新田開発
兼山と郷士起用
兼山の農民支配
兼山の産業奨励
兼山と商業
沖島・篠山国境争論
兼山の失脚と寛文の改替
兼山の死と野中家の末路
野中家略系図
略年譜