人物叢書(新装版)<br> 臥雲辰致

人物叢書(新装版)
臥雲辰致

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784642051804
  • NDC分類 289
  • Cコード C1323

内容説明

信州の辺地に生れながらも、発明に凝って寺に入れられたが故あって還俗、さらに情熱をふるってついに綿糸紡績機(ガラ紡機)を発明し、明治初期綿業発展の基礎を造った異色の人。考案に明けくれ、貧窮と闘った発明生活の背景を、日本資本主義発展の動きの中に初めて明らかにした本書は、地方史家としての著者が現地に足を運び丹念にまとめた実録である。

目次

第1 生い立ち
第2 ガラ紡機を発明する
第3 ガラ紡機全国に普及する
第4 洋式紡績に対抗苦闘する
第5 晩年の臥雲辰致
臥雲辰致系図
略年譜
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古谷任三郎

4
ガラ紡機の発明家である臥雲辰致の評伝。若い頃から発明に明け暮れ、親に心配され寺に入って僧になるも、ガラ紡機を発明し、内国勧業博覧会に出品できる程高く評価され、日本綿業史だけでなく、近代日本において偉大な足跡を残した。ただ失敗の連続で、特許が取れず生活に困窮していた。それでも諦めずに発明に挑戦していった探究心は臥雲の元々の性質であろうが、その精神力はおそらく寺の修行で培われた事であろう。臥雲のガラ紡機はトヨタの創業者である豊田佐吉にも大きな影響を与え、それが後の世界のトヨタへ受け継がれた。2024/12/20

Y_Michiari

1
臥雲辰致は、明治初期の日本の紡績産業を支えた功労者だが、当時、専売制(所謂、特許権)が法整備されておらず、かなりのコピー品が出回り、臥雲辰致の生活は苦しかった。明治期には、このような工夫を凝らした臥雲辰致の姿勢が、教科書にまで載ったが、労を功によって労わずして、この国の発展は無いし、発明は無から有を生むが、その実験代は、タダではない。 エジソンは、その発明によって巨万の富を築いたが、日本の発明家にこれに類する話は聞かない。人物叢書・商人&実業家その12015/07/21

0
地方史家によるガラ紡の発明者臥雲辰致(本書では子孫から話を聞いて「たっち」という読み方を主張)の評伝。ガラ紡機は博覧会出品を通じて普及したが、特許制がなかった時期だったので発明者本人は困窮の生活を送り続いたという話は有名だが、明治20年代の教科書にはこういう筋の内容がすでに存在していたことに驚いた。ガラ紡を外国綿糸と国内洋式紡績糸と間隙を縫うような存在と評価するなどガラ紡の繊維産業史における位置付けがわかりやすく書かれている。2025/06/13

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