内容説明
わが国で最初に人体を解剖したのは山脇東洋であり、その学風を受けついで蘭学を京都にひろめ、解剖の技両において匹敵するものとなしといわれたのが小石元俊であった。小石家に伝わる厖大な史料を精査し、元俊の開業医としての姿と、蘭学者間の文化交流の実体を見事に描出して、蘭学草創期における知られざる人物の発掘を行った好伝記。
目次
生いたち
開業と著者『元衍』
天明3年の解剖
江戸蘭学との交渉
大坂在住間の事蹟
京都移住初期
第二・三回東留と晩年
家庭・性行・著書・門人
むすび―小石蘭学の地位