内容説明
埋もれたる明治の礎石。開拓使長官として北海道開拓に尽力し,のち第二代総理となったが、条約改正に失敗して辞任。その後、強列な個性がわざわいして、伊藤博文主導の明治政界で冷遇される。『開拓使簿書』『黒田榎本文書』等に溯り、『明治天皇紀』や巷間の伝説等をも吟味して、従来の伝記では記述しえなかった明治史の盲点を突く、初めての実伝成る。
目次
第1 西郷幕下の参謀
第2 大久保政権のもとにて
第3 開拓使の終幕
第4 政界の激浪
第5 首相就任
第6 枢相としての晩年
第7 人生回顧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
人物ぎょう書はよく知らない人物の概要を知るのにいいシリーズです。黒田清隆も名前は有名ですありますが、豪胆、酒乱、開拓史、家庭での不幸というイメージしかありませんでしたので、藩閥や明治の政治を知る上で面白かったです。北越戦争の部分も興味深かったです。2023/05/17
みず
2
戊辰戦争、西南戦争で活躍した武人。榎本武揚さんを助命したり、大久保利通さんや西郷隆盛さんの意思を継いだり、人情深い。北海道を開拓した。自分より身分の高い人に対して従順。政治家というよりは武人という感じがするので、陸軍の要人にならなかったのが勿体無い気がする。井上馨さんと仲直りしたみたいで良かった。寛大で情け深い素敵な御仁なのだろうなと思いました。2024/07/06