内容説明
契沖以来の国学の大成をめざし、『万葉集』の研究に心血をそそいだ賀茂真淵は、世に“国学四大人”の1人にかぞえられる。真淵は国学に指導的役割を果し、古典研究の立場と方法を発見して、古道と詠歌とを緊密に結びつけた功績は大きい。とかく無味乾燥になり易い国学者の伝記を、本書は真に血の通った人間として再現した。
目次
第1 岡部三四の出生と家系(岡部政信とその家庭;岡部家の家系について;賀茂神社のなりたち)
第2 浜松における賀茂真淵(岡部家と杉浦家;荷田春満との出会;岡部政長の女との結婚;梅谷市左衛門のこと)
第3 賀茂真淵の志学について(杉浦国頭と渡辺蒙庵;荷田春満と国学の成立;賀茂真淵の左京生活)
第4 田安宗武と賀茂真淵(徳川吉宗と田安宗武;『国歌八論』とその論争)
第5 県居の大人、賀茂真淵(賀茂真淵の『万葉集』研究;『五意』の発想と国学)