内容説明
クルスの旗印を高く掲げて原の故城に立籠る一揆勢4万の指導者、天の使と仰がれキリシタンの妖童として怖れられた少年四郎時貞。国際色豊かな島原の乱の全貌を、豊富な史料と明快な行文に描きつつ、その人物像を鮮かに浮彫した異色の伝記であり、島原一揆の顛末を知る上にも好個のもの。正に一幅の好絵巻というべきである。
目次
1 奇蹟の少年―島原の乱はこうしておこった
2 緊急指令―幕府はどんな対策をたてたか
3 囚われた母娘―明らかにされた時貞の素性
4 背水の陣―富岡城危機に陥る
5 原城包囲―城内の礼拝堂にこもる時貞
6 抵抗の戦術―追いつめられた人、板倉重昌
7 大砲と矢文―唐人とオランダ人の役割
8 丸腰の使者―降伏勧告が試みられた
9 首実検―最後まで登場しなかった主役