内容説明
本願寺教団のあり方が云々される昨今、親鸞の単なる墓堂としての大谷廟堂を、本願寺という寺院に盛り上げた覚如の生涯は、いま新しく見直すべきときであろう。叔父唯善との廟堂をめぐる世俗的主宰権争いや、長男存覚との義絶にみる思想上の対立など、覚如の生涯に凝縮される草創期教団の諸問題を見事に描写した創見に富む好著。
目次
生いたち
修学時代
覚恵と大谷廟堂
廟堂の留守をめぐる紛争
留守職就任
本願寺の創建
三代伝持
著作と思想
文藻
存覚義絶
存覚義絶の理由
覚如と真宗系他派教団
存覚の義絶解除
終焉
感想・レビュー
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たいけい
7
2025年4月1日(火)読了。初読。生いたち、修学時代、覚恵と大谷廟堂、廟堂の留守をめぐる紛争、留守職就任、本願寺の創建、三代伝持、著作と思想、文藻、存覚義絶、存覚義絶の理由、覚如と真宗系他派教団、存覚の義絶解除、終焉の14章。はしがき、系図、略年譜、関係地図、主要参考文献も。親鸞を今に伝える『御伝鈔』の作者。親鸞と蓮如の間に隠れてしまっているが、今日の本願寺教団形成の基礎を築いた重要な人物。その行実を簡潔に纏めている。唯善事件は知っているが14才に誘拐されたり、80才に天橋立に行っていたとは知らなかった2025/04/01