内容説明
典型的絶対主義政治家であり、オールド=日本を一身に具現した山県の生涯は、そのまま近代日本の政治史であり、軍事史でもある。国軍建設以来、軍部の大御所として絶大な権力を握り、巨大な勢力をバックとして政界にも権勢を張ったが、本書は人間山県の弱点と功罪をえぐってあまさず、味わい深い歴史の秘密を追求する。
目次
出生とその時代
尊皇攘夷の志士
維新政府とともに
新陸軍の建設
大西郷と戦う
陸軍の大御所
自由民権に抗して
超然主義の使徒
利益線の拡張をめざして
絶対主義の再編成のために
皇国の興廃をになう
権勢の頂点に立って
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
37
山県は陸軍の実質的なトップとして徴兵制制定、参謀本部の創設、軍人勅諭など軍政や政治に辣腕を振るった。しかし、自由民権運動や社会主義運動を弾圧するなど民衆の人気とは無縁であった。外征にも作戦指導は無論、利益線や主権線で東アジアにおいての領土拡張に関係している。軍事的にマイナスな事象としては、統帥権の独立や月曜会事件に関与しており、汚職でも名が浮上した。それゆえ国葬では参列者が少なかったとのことである。ちなみに、天皇制擁護派ながらも、明治天皇と大正天皇には好かれていなかったようだ。2024/02/15
金吾
25
どちらかというと負のイメージが強い人です。古今、権力を握り、保持をすることにのみ長けている人が権力者になるという構図が何故出来上がるのかを考えさせられます。2023/01/04
多読多量連投が日課だった
0
明治天皇も煙たがるほど傍迷惑な軍人政治家で軍閥を確立したせいで遠因として第二次世界大戦へ進んでしまったとか。だからか習った記憶が無い。大正天皇に奴の嫌いぶりが可笑しいったらwwww。2017/08/18
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