感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空猫
2
原著は昭和33年刊。伝記に日蓮宗学のポイント・日蓮宗の略史を加えている。明らかな誤りや史実と矛盾する伝説を排除するだけでなく、教学的に強調すべきでない記述（現世利益の強調など）は後世の偽作としている点が特徴で、日蓮が法華経以外の経典を引用して述べた部分（所謂予言）すらも否定的。個人的にはあの手の言動を予言として畏怖したり激昂していたのは他人であって、日蓮本人は経文と符合しないこと（菩薩天神の加護がないなど）も身をもって知っているのだから、当たり外れを言説として利用はしたが教義として用いてはいないと感じる。2025/07/18
