出版社内容情報
佐久間象山は、幕末から明治期に活躍した勝海舟・吉田松陰・西村茂樹・加藤弘之ら、優秀な門人を多数輩出した開明的な人物と評されてきた。だが、その実体はどうだったのか。『象山全集』所収の「訂正及門録」の問題点の数々を指摘し、現存する五種の「及門録」に記された全463名の門人を丹念に比較・分析。確かな象山門人の析出に挑んだ大作。
【目次】
凡例
序論
第一章 井上哲次郎・宮本仲の紹介した「及門録」の分析―象山門人の全体像を紹介した先駆性とその内容理解の問題点―
はじめに―問題の所在と本章の研究課題
一 井上哲次郎の論文「佐久間象山及門録に就いて」の先駆性と問題点
二 「及門録」の全文を初公表した宮本仲『佐久間象山』
三 宮本版「及門録」の作成意図と作成経緯
四 宮本仲の発表した象山門人帳「及門録」の全容と問題点
おわりに
第二章 京都大学附属図書館所蔵「及門録」の内容と問題点―宮本版・全集版の「及門録」との比較校合による問題の析出―
はじめに―問題の所在と本章の研究課題
一 京都大学附属図書館所蔵「及門録」の内容と問題点
二 京都大学附属図書館所蔵「及門録」の解読と紹介
三 既存三種の門人帳史料「及門録」の比較考察
四 京都大学附属図書館所蔵「及門録」の問題点
おわりに―本章における検証結果と今後の研究課題
第三章 青木歳幸氏が史料紹介した京都大学附属図書館所蔵「及門録」の内容分析―史料の解読と理解の誤謬の析出―
はじめに
一 青木氏紹介の京大版「及門録」の内容吟味―著者の解読版との比較合
二 青木氏解読の京大版「及門録」における誤謬の析出
おわりに
第四章 増訂『象山全集』所収「訂正及門録」の分析―他の「及門録」との比較校合による誤謬の析出―
はじめに―前章との関係と本章の研究課題
一 増訂『象山全集』に収録前の「及門録」の位置
二 増訂『象山全集』に「訂正及門録」を収録
三 「訂正及門録」の内容構成と記載事項の問題点
おわりに―「訂正及門録」の問題点と今後の研究課題
第五章 信濃教育博物館所蔵「及門録」の内容と史料的意義―京大版「及門録」との比較による記載内容の検証―
はじめに―問題の所在と本章の研究課題
一 新資料―信濃教育博物館所蔵「及門録」の翻刻紹介
二 信教版「及門録」と京大版「及門録」との比較分析
三 全集版「訂正及門録」と信教版「及門録」との比較
おわりに―信濃教育博物館蔵「及門録」の史料的な意義
第六章 国立歴史民俗博物館公開「佐久間象山門人帳デ―タベ―ス」の誤謬―他の「及門録」との比較校合による問題の析出―
はじめに―問題の所在と本章の研究課題
一 国立歴史民俗博物館公開「地域蘭学者データベース」の問題性
二 国立歴史民俗博物館公開「佐久間象山門人帳デ―タベ―ス」の信憑性
三 歴博版「及門録」における事実誤認の誤謬
おわりに
第七章 象山門人帳史料「及門録」の訂正新版の提示―五種の「及門録」の総合的な比較校合とその図表化―
はじめに―問題の所在と本章の研究課題
一 前章までの象山門人帳「及門録」の比較校合で
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