内容説明
神代及び神武天皇より後一条天皇長元九年(一〇三六)までの編年体の歴史。撰者はわからないが平安後期の公家であろう。前篇二十、後篇十四の二部からなる。前篇は宇多天皇までで、宇多天皇の部分を除いては六国史の抄説であるが日本後紀の散逸部分はこれで補訂することができる。後篇は醍醐天皇以降の部分で、新国史をはじめとする公の歴史や私の記録も参照して朝廷・京都を中心に貴族の動静を記事としている。後篇の部分は、貴族が最も栄え平安文学に題材を提供し舞台を貸した時代でもあるので、国史のみならず国文の研究にも好資料を多く含んでいる。
目次
神代
神武天皇―起即位前紀盡崩後一年九月
綏靖天皇―起即位前紀盡即位三十三年五月
安寧天皇―起即位前紀盡即位三十八年十二月
懿徳天皇―起即位前紀盡即位三十四年九月
孝昭天皇―起即位前紀盡即位八十三年八月
孝安天皇―起即位前紀盡即位一百二年正月
孝靈天皇―起即位前紀盡即位七十六年二月
孝元天皇―起即位前紀盡即位五十七年九月
開化天皇―起即位前紀盡即位六十年十月〔ほか〕
感想・レビュー
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perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
3
昭和四年発行。所有しているのは同十五年に再販された分。『六国史』の最後である『三代実録』を継ぐ歴史書であり、これまでのダイジェスト版と宇多天皇から後一条天皇までの独自記事(150年分)によって構成されている。本書は宇多までで、そこだけ読んだ。現代語訳も試みたが不明な箇所も少なくないので気長に訳そう。スキャンも実行中。それにしても源氏物語で知られる「雅な平安宮中文化」について歴史書がほとんど省みられていないとはなんたる。公家の日記(『御堂関白記』も『権記』も読んでるけど)や『大鏡』と『今鏡』があればいい?2022/07/24