内容説明
宇多天皇より近衛天皇までの約二百二十年間の編年史。藤原通憲撰。一部散逸しているため全体の巻数は不明。現存部分は朱雀天皇より近衛天皇までで、醍醐天皇の部分は御産部類記・年中行事秘抄にみられるが、宇多天皇の部分は不明である。全体も未定稿に終わったらしい。六国史を継ぐ意図があったらしく、官府の記録である外記日記や六国史のすぐ後を追って未完成に終わった新国史を骨子に貴族の日記を用いている。十世紀から十二世紀半ばに至る平安後期のまとまった史料として貴重な存在であることは、単に国史研究者のみならず、国文学者にとっても同様であろう。
目次
朱雀天皇―自承平五年五月至同年六月
朱雀天皇―自天慶元年七月至同年十二月
朱雀天皇―自天慶二年四月至同年閏七月
朱雀天皇―自天慶二年八月至同年十二月
朱雀天皇―自天慶四年七月至同年十二月
朱雀天皇―自天慶五年二月至同年六月
朱雀天皇―自天慶八年七月至同年十二月
冷泉天皇―自康保四年五月至同年十二月
冷泉天皇―自安和元年正月至同年五月
花山天皇―自寛和二年正月至同年六月〔ほか〕