出版社内容情報
幕末に欧米諸国と結ばれた不平等条約、特に領事裁判権撤廃のため、「文明国」としての国家体制構築が急務とされた明治日本。王政復古による天皇親政理念と「公議」政治の誕生、版籍奉還・廃藩置県による中央集権化、立憲制樹立などの改革や、討幕の密勅、征韓論などをめぐる政治闘争を、万国対峙という明治維新期における国家目標の視点から見通す。
【目次】
序章
一 本書の視角
二 万国対峙研究の現状と課題
三 本書の構成
第一部 王政復古と万国対峙
第一章 王政復古研究の課題
はじめに
一 王政復古の意義
二 天皇親政の内実
三 諸説の検討
おわりに
第二章 幕末と万国対峙
はじめに
一 条約をめぐる欧米への対応・対抗
二 万国対峙の登場
おわりに
第三章 倒幕運動と王政復古
はじめに
一 討幕の密勅再考
二 王政復古と天皇親政
おわりに
第二部 明治政府と万国対峙
第一章 明治太政官制と「公議」
はじめに
一 太政官代三職制と「公議」
二 政体書・公議所と「公議」
三 太政官制と「公議」
おわりに
第二章 維新政府と万国対峙
はじめに
一 発足当初の維新政府と万国対峙
二 版籍奉還
三 廃藩置県
おわりに
第三章 万国対峙策の展開
はじめに
一 岩倉使節団と留守政府
二 征韓論政変
おわりに
第四章 万国対峙の達成
はじめに
一 明治一四年の政変
二 条約改正と万国対峙
おわりに
終章
あとがき
索引