出版社内容情報
新憲法制定間もない戦後日本、吉田茂の軽武装論に対立し、再軍備論を唱えた芦田均。外交官時代の経験からいかなる国際政治観を形成したのか。敗戦までの対ソ外交論の変化や外務省の政策と幣原喜重郎・重光葵ら人脈の系譜にも留意しつつ、芦田の政治的足跡を辿ることで再軍備論を内在的に分析。戦後日本の外交路線の形成と対立の諸相を考察する。
内容説明
新憲法制定間もない戦後日本、吉田茂の軽武装論に対立し、再軍備論を唱えた芦田均。外交官時代の経験からいかなる国際政治観を形成したのか。敗戦までの対ソ外交論の変化や外務省の政策と幣原喜重郎・重光葵ら人脈の系譜にも留意しつつ、芦田の政治的足跡を辿ることで再軍備論を内在的に分析。戦後日本の外交路線の形成と対立の諸相を考察する。
目次
序章 課題と方法
第1章 外交官としての出発
第2章 政党政治家への転身
第3章 外務省との協働と対抗
第4章 崩壊する秩序のなかで
第5章 日本外交の再生を目指して
第6章 再軍備論者への道
終章 総括と意義
著者等紹介
矢嶋光[ヤジマアキラ]
1981年滋賀県に生まれる。2014年大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了。現在、名城大学法学部准教授、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
1
戦前戦後を通じてどうも地味で非主流の感が強い芦田均の評伝的論文集。戦前の「連盟派」外交官時代から政治家転身、戦後の再軍備論までを貫く芦田の国際政治観の変遷を論ずる。芦田は外務省の傍流であった国際連盟を基軸とした多国間協調を説く連盟派に属し、ウィルソン以後の「新外交」思想を柔軟に摂取した新時代の外交官であった。政界への転身後も芦田は外交官時代と変わらぬ連盟重視、多国間協調を唱え時勢から孤立。戦後も一貫した国際機構重視から再軍備論を主唱し変節漢扱いされるが、戦前戦後と一貫したその姿勢は評価されても良いであろう2021/11/28