内容説明
明治二十年代、“美術”に対抗する概念として成立した“工芸”。帝展の工芸部門開設と「新古典派」の出現、戦時体制下における桃山復興、占領統治下の工芸の輸出と日米文化交流、昭和三十年代の「伝統工芸」の成立など、その歴史的展開を辿る。誕生以来、工芸の存立を支えてきた制度や価値体系を手掛かりに、近代ナショナリズムとの関係を問い直す。
目次
プロローグ 工芸における「ナショナリズム」と「伝統」
1 「工芸」ジャンルの形成―明治二十年代のナショナリズムを背景として
2 「帝国」日本における工芸とナショナリズム―アジアへのまなざし
3 工芸における「日本的なもの」―国家主義時代の工芸史観を背景に
4 戦後の日米文化交流のなかの工芸―冷戦を背景に
5 「伝統工芸」の成立―無形文化財制度と戦後ナショナリズム
6 工芸館の誕生―「伝統工芸の殿堂」として
著者等紹介
木田拓也[キダタクヤ]
1970年、石川県に生まれる。1993年、早稲田大学第一文学部卒業。佐倉市立美術館学芸員を経て、現在、東京国立近代美術館主任研究員(工芸館)、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



