内容説明
近代日本のはじまりとなった明治の新政権は、どう確立しどう動いていったのか。幕府の崩壊から中央官省の成立や問題点を、維新という歴史の中で如何にみるかは、数々の論争がある。それは古くて新しい、大きな課題として残されている。新政権を力ずくで生み出した戊辰戦争から廃藩置県まで、幕末期を視野に入れ、維新政権の成立に焦点をあてる。
目次
1 戊辰戦争と年貢半減令(『戊辰戦争』補論;赤報隊の結成と年貢半減令)
2 維新政権と「公議」(「国璽」に関する新史料;「公議」抽出機構の形成と崩壊―公議所と集議院)
3 府県設置と行財政政策(直轄県における明治政府の経済政策―福島・白河地方の場合;解体期の藩政と維新政権―仙台藩政と三陸会議を中心に)
4 廃藩置県の政治過程(廃藩の過程における政局の動向)
著者等紹介
松尾正人[マツオマサヒト]
1948年東京都生まれ。1971年中央大学文学部卒業。1976年中央大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在中央大学文学部教授。主要著書に『廃藩置県』(1986年、中央公論社)、『維新政権』(1995年、吉川弘文館)、『廃藩置県の研究』(2001年、吉川弘文館)
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