内容説明
幕藩体制は外圧を契機にその求心力を失い、弱体化へと向かう。諸藩は、その対応のためにさまざまな改革の方向性を模索する。この旧体制の揺らぎは、一方では攘夷・討幕へと向かい、他方では佐幕へと傾く。ともすると、西南雄藩を中心に語られがちな当該期の諸藩の動向について、中間派・佐幕派にも目を向けて「内なる」変革を論じる。
目次
1 諸藩の総括的動向(幕藩権力解体期の藩の動向―1862~1867年;諸藩の藩政改革)
2 西南雄藩の動向(薩摩藩軍事力の基本的性格;長州藩における慶応軍政改革;幕末における御前会議と「有司」―日本絶対主義形成の特質について;幕末・維新期における諸階層の対外認識―長州藩域を中心として;土佐藩における討幕運動の展開;佐賀藩における慶応軍制改革)
3 中間派・佐幕派諸藩の動向(松平春岳受譴期の越前藩;幕末岡山藩における国事周旋方針と藩論;会津藩公用方(局)の実態について)