内容説明
肥後細川家などの国持大名クラスの領国に成立し、藩政と対応しながら展開される百姓的な政治社会を指す「領国地域社会」。熊本藩伝来の「永青文庫細川家文書」を駆使して、一七世紀から転換期としての宝暦改革前後、さらに幕末維新期まで、二〇〇年以上に及ぶ領国地域社会の展開過程を一一本の論考により追究し、日本近世社会の特質を分析する。
目次
第1部 藩政の成立・改革と領国地域社会(一七世紀における藩政の成立と特質―藩政改革の歴史的前提;熊本藩宝暦改革の歴史的位相―近代文書行政への転回点としての宝暦改革;近世期市場経済の中の熊本藩―宝暦改革期を中心に;城下町研究・地域運営論から「領国地域社会論」へ;領国地域社会の中間支配機構について)
第2部 藩政改革論・領国地域社会論の展開(細川重賢明君録からみえる熊本藩政改革―明君像の形成と士民の規範化をめぐって;近世後期の手永会所と地域社会―領国地域行政機構論;幕末肥後藩の政治活動とその背景―蒸気船購入問題を中心に;熊本藩領社会を「領国地域社会論」から見つめ直す)
地域社会論と「領国地域社会」
著者等紹介
稲葉継陽[イナバツグハル]
1967年栃木県に生まれる。1996年立教大学大学院文学研究科後期課程退学。現在、熊本大学文学部附属永青文庫研究センター教授、博士(文学)
今村直樹[イマムラナオキ]
1979年熊本県に生まれる。2008年名古屋大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、静岡大学人文社会科学部准教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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